「風 を 読 む!」 経済記事スクラップブック |
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※ページ作成者 去ト立不動産 柴立俊朗
記事-9 目 次 | |||
NO. | 記事年月日 | 記 事 元 | 記 事 内 容 |
191 | 2007/12/27 | nikkei | 日本、存在感の低下深刻 |
190 | 2007/12/11 | nikkei | 大機小機 再分配大国ニッポン |
189 | 2007/11/18 | nikkei | 世界を読む インフレの芽、各国波及 |
188 | 2007/10/31 | nikkei | 三菱地所連合、2300億円落札 |
187 | 2007/10/24 | nikkei | 残高400兆円を突破 資産運用ビジネス |
186 | 2007/09/29 | nikkei | インフレ率2.1%に上昇 ユーロ圏 |
185 | 2007/09/20 | nikkei | 基準地価 3大都市圏 2年連続上昇 |
184 | 2007/09/14 | nikkei | 都市部への人口流入加速 |
183 | 2007/08/26 | nikkei | 坪1億8000万円ナリ |
182 | 2007/08/25 | nikkei | 医療費 最高の33兆円 |
181 | 2007/08/23 | 南日本 | 赤ちゃん05%減 54万人 |
180 | 2007/08/15 | nikkei | 年金連合会 不動産開発に投資 |
179 | 2007/08/14 | 南日本 | 15年ぶり高値 平均5300万円 |
178 | 2007/08/11 | nikkei | 最低賃金、平均14円上げ決定 |
177 | 2007/08/09 | nikkei | 近鉄 高さ日本一 300mビル |
176 | 2007/08/03 | nikkei | 設備投資 すそ野拡大 |
175 | 2007/08/03 | 南日本 | 2年連続人口減少 |
174 | 2007/08/02 | nikkei | 路線価 平均8.6%上昇 |
173 | 2007/07/26 | nikkei | 高齢者向け賃貸住宅 民間病院の参入解禁 |
172 | 2007/07/22 | nikkei | インフレに備える投資術は? |
171 | 2007/07/17 | nikkei | BRICs株投資 急拡大 |
170 | 2007/06/28 | 南日本 | 95集落消滅の恐れ |
169 | 2007/06/21 | nikkei | ファンド活用し開発 福岡市の賃貸マンション |
168 | 2007/06/12 | nikkei | 公的年金 給付水準 |
167 | 2007/06/10 | 南日本 | 京セラ 薩摩川内市と立地協定 |
166 | 2007/06/12 | 南日本 | 藤田ワークス工場増設 |
165 | 2007/06/08 | nikkei | REIT指数 急落 |
164 | 2007/06/05 | nikkei | 都市機能 都心集約へ新基準 福岡県 |
163 | 2007/06/01 | nikkei | 産業資材値上げ 再び加速 |
162 | 2007/05/30 | nikkei | 2025年全都道府県で人口減 |
161 | 2007/05/26 | nikkei | 設備投資 5年連続増加 |
160 | 2007/05/24 | nikkei | オフィスビル高額売買相次ぐ |
159 | 2007/05/22 | 南日本 | 分譲マンション建設ラッシュ |
158 | 2007/05/13 | 南日本 | 南国殖産 鹿中央駅前 2大型ビル |
157 | 2007/05/12 | nikkei | 上場企業 4期連続最高益 |
156 | 2007/05/02 | nikkei | 人口集中と地域格差 「大機小機」 |
155 | 2007/04/07 | nikkei | 14年ぶり一万人超 福岡県への純転入数 |
154 | 2007/04/05 | 南日本 | 京セラ国分工場増設 |
153 | 2007/03/23 | nikkei | 公示地価16年ぶり上昇 |
152 | 2007/03/22 | 南日本 | 株式総額50兆ドル突破 原油高背景 アジア増加 |
151 | 2007/03/17 | 南日本 | 中国 全人代、物件法案を可決 |
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NO.191 | 2007/12/27(木) 日本経済新聞より |
日本、存在感の低下深刻 名目GDP世界の9.1% 潜在成長率、見劣り 世界経済の中で日本の存在感の低下に歯止めがかからない。ドル換算GDPが円安で目減りしたのに加え、構造的な要因が影を落としている。 第一の要因は、日本経済の停滞と中国などの台頭が同時進行で起きていることだ。日本は1990年代後半から直面したデフレからなかなか脱却できず、名目成長率が上がらない。物価上昇率で調整した実質成長率では息の長い成長を続けているが、その緩慢さと中国やインドとの勢いの差はいかんともしがたい。 2006年の中国の名目GDPは二兆六千四百億ドル余りで、米国、日本、ドイツに次いで4位。過去三年の平均の名目経済成長率は日本が1.2%だったのに対し、中国は17.0%だった。この成長率が今後も続けば、10年には中国の名目GDPが日本を追い抜く計算になる。 人口減少局面にある日本が成長スピードで中国などより見劣りするのはやむを得ない面がある。深刻なのは、国民一人当たりGDPという経済の「質」や「実力」でも日本の国際的地位が落ちていることだ。 背景にあるのは構造改革への取り組みの違い。一人当たりのGDPが上位の欧州の小国では、構造改革が実を結んでいる例が多い。4位のアイルランドは積極的に外国からの直接投資を受け入れた。フィンランドはIT関連の生産拠点として生産性を高めた。 日本が見習うべきはかって「英国病」と言われ、経済の停滞が著しかった英国だ。サッチャりズムで始まった規制改革、民営化、労働市場改革は労働党のプレア政権にも引き継がれ、経済の中期的な実力を示す「潜在成長率」の引き上げに結びついた。一人当たりGDPは04年に24年ぶりに日本を抜き、その後も水をあけている。 日本が構造改革に手をこまねいていれば、「第二の英国病」になりかねない。不気味なのは、昨今の円安には長い目でみた「日本売り」の側面があることだ。投資家が超低金利を嫌気し円を売り、高金利の新興国通貨を積極的に買い続けていた。金利正常化の遅れに加え、潜在成長率が国際的に見劣りしていることが「円売りの一因」と指摘するエコノミストは多い。 |
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NO.190 | 2007/12/11(火) 日本経済新聞より |
「大機小機」 再分配大国ニッポン 財政再建を進めるには三点セットが必要だ。経済成長、歳出削減、そして増税である。小泉、安部両内閣では少なくとも前者二点を意識した政策運営をした。増税だけは明確な方針を示さなかったが、まず成長力を高めて税収が上がる経済をつくり、歳出も削れるところは削った後で考えるという姿勢だった。 福田内閣になってからは、この三点セットのすべてで方向感が見えなくなった。 人口が減り始めた日本で成長力を高めるには、法人実効税率の引き下げ、労働市場の規制緩和、医療や農業への企業参入の本格解禁など、考えられる手はすべて打たなければならないが、改革の流れは止まった。 歳出は削減どころか、バラマキのオンパレードだ。余剰米の緊急買い上げ、地方の道路整備への補助金引き上げなどのほか、法律で減らすことが決まっている公立小中学校教員の増員要求も出ている。 景気が微妙な局面にある今、増税は急ぐべきではない。とはいえ、衆参ねじれ状態がしばらく続く以上、与野党協議の場をつくるなど、どこかで結論を出す決意を示すのが政治の責任だ。大連立騒動で懲りたのか、いまのところそういう動きはない。 財政再建が視界不良になった背景には、ここ数年の格差論議とそれに乗って参院選を戦った民主党の躍進がある。低所得者や高齢者、地方、中小企業への配慮を求める声に抗するのが難しくなり、予算や税を使った再配分政策への傾斜が強まった。規制緩和や競争促進を柱とする成長政策も不人気になった。 再分配がもっと必要なほど日本は公正さを欠く国なのかといえば、そうではない。一に近ずくほど格差が大きいことを示すジニ係数を社会保障制度や税による再分配を加味したベースでみると、2005年は0.39。三十年前から0.04しか上がっていない。諸外国と比べても格差の程度は小さく、かつ安定している。再分配政策は今でも十分機能しているのだ。 ワーキングプアなど新しい貧困問題が起きていることは否定しないが、それらは生活保護などセーフネットの領分である。これを格差問題と位置づけたために、高所得者から低所得者へ、都市から地方へ、もっと再分配をという声が説得力を持った。そして再分配大国ニッポンの財政再建は遠のいた。 |
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(眠り独楽) | |
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NO.189 | 2007/11/18(日) 日本経済新聞より |
世界を読む インフレの芽、各国波及 食品・エネルギー価格上昇 食品やエネルギーの価格が世界的に上昇している。人口増加による需要増大を背景に、バイオ燃料ブームや投資マネーの流入といった要因も加わる構造的なインフレの芽だ。原料・燃料高の波は各国の市民生活を直撃し、金融政策のあり方に関する論議も巻き起こす。ディスインフレ(物価上昇率の低下)の時代は終わるのだろうか。 ―中略、 ブッシュ政権がバイオエタノール利用を奨励したところ、トウモロコシ価格が高騰。 ―中略― トウモロコシ高は大豆や小麦にも波及し、食品価格を幅広く押し上げる。 ―中略、 「穀物価格は来年も上昇する懸念が強い」 ―中略 高止まりするエネルギー価格の影響も広がる。米電力コモンウェルス・エジソンはイリノイ州に対し、個人向け電力料金を約8%引き上げると申請した。同州シカゴ市交通局は来年はじめにかけてバスや電車の運賃を二度にわたり値上げする計画で、反発する市民との間でもめている。 アジアではシンガポールで今月中旬以降、食パンやめん類などの価格が軒並み上昇する可能性が高まってきた。原材料やガソリンなどの値上がりが大きい。小麦などはの価格は一月から十月までで約70%も上昇。これに店舗賃料の上昇も加わる。中堅パンチェーンは15日からパンの料金を1割程度上げた。 中国では「生活必需品」の豚肉の価格が高値圏にある。十月の上場率は前年同月比54.9%に達した。食用油なども高騰しており、特売品に殺到した市民が死傷する事故まで起きている。「物価抑制」は政府の最優先課題だ。 欧州ドイツ。―中略、 同国ではパン、牛乳、バターなどが軒並み値上がりしている。 物価上昇に拍車をかけているのは中国、ロシア、東欧など新興国での需要急増だ。 ―中略 新興国の経済発展が需給逼迫を招き、インフレが定着する構図に、独労働組合は「賃上げしないと実質所得が減る」と主張する。 九十年代以降の世界経済は、新興国の安価な労働力の供給などがもたらす「インフレなき成長」を謳歌してきた。だがグリーンスパンFRB前議長は「ディスインフレ過程はピークを過ぎた」と指摘する。抑えてきた「インフレ」が目を覚ますのかもしれない。 (シカゴ=毛利靖子、シンガポール=野間潔、ぺルリン=赤川省吾) |
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NO.188 | 2007/10/31(水) 日本経済新聞より |
三菱地所連合、2300億円落札 東京都心の土地 2万6000u 三菱地所、大和ハウス工業などが都市再生機構の保有する東京・新宿の「日本テレビゴルフガーデン」跡地(二万六千平方メートル)を落札したことが30日、明らかになった。特別目的会社(SPC)を通じ二千三百億円で取得、三〜五年後の完成を目指してオフィスを中心とした複合開発を進める。都心のオフィス需給の逼迫が続く中、再開発を狙った大手不動産会社による大型の土地買収が加速してきた。 落札したのは新宿区新宿六丁目にある約四万平方メートルの同跡地の内の「N街区」。明治通りから東側に入った一画で、現状の容積率は最高700%。高層オフィスビルを中心に商業施設などを組み合わせた複合開発を進める。SPCには三菱地所、大和ハウスのほか平和不動産、日本土地建物などが参画している。 道路などを除いた残りの一万一千平方メートルのS街区についても三菱地所が定期借地権による賃貸マンション運営の権利を取得した。現状の容積率は400%で、ここに三菱地所が中心となって定借期間五十年以上でマンション建設を進める。事業規模は1千億円前後とみられる。 同跡地はJR新宿駅から一キロメートル程度の距離があるものの、都営地下鉄大江戸線の東新宿駅に隣接していることに加え、2008年には東京メトロ副都心線が乗り入れ、新駅の整備も進む。三菱地所などはオフィス用地としての利便性が高まると判断したj。 都心部ではオフィスの供給量不足などをにらんで大型不動産の取得競争が激化している。九月には東急不動産が銀座東芝ビルを千六百十億円で取得、森トラストも農林漁業団体職員共済組合(農林年金)から虎ノ門パストラルの取得に関する優先交渉権を二千三百八億円で取得した。 こうした競争を背景に取得価格も上昇。今回の三菱地所連合の取得価格も二位グループより三〜四割高かったもようだ。「一坪(3.3u)あたり四万円程度の賃料でないと採算がとれない」との見方もあり、周辺のオフィスビル賃料(同二万円台)に比べて割高となる可能性がある。 |
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NO.187 | 2007/10/24(水) 日本経済新聞より |
残高400兆円を突破 資産運用ビジネス 3月末 投信に個人資金流入 株や債券など投資商品を手掛ける資産運用ビジネスの国内の市場規模が四年間で倍増し、今年三月末時点の残高が400兆円を突破したことが明らかになった。株価の回復を受け、投資信託に個人マネー流入。財政投融資への預託など政府内で運用していた公的年金が、投資顧問会社や信託会社への運用委託を進めたためだ。この間預金残高はほぼ横ばいで推移しており「貯蓄から投資へ」の流れが加速している。 野村総合研究所の調査によると、投資商品を手掛ける投信委託会社、投資顧問会社、信託銀行、生命保険会社(利回りを保証しない特別勘定のみを対象)の2007年3月末の受託残高は四百十三兆円。03年3月末と比べ二百二兆円増えた。受託残高に比例する手数料収入も07年3月期は八千五百億円になり、今季は一兆円規模に膨らんでいる公算が大きい。 受託残高の内訳は、投資顧問会社が百五十兆円強、年金信託など信託会社が百兆円強、投資信託が個人向けの公募と機関投資家向けの私募を合わせて約百兆円、生保の特別勘定が約五兆円。このほかに、上場不動産投資信託(REIT)が三兆円などで、合計すると06年3月末の三百五十五兆円から十六パーセント増加した。 残高の伸び率が最も大きかったのは、投資信託で、四年間で2.5倍、年率で約二十%増加している。一方、預金残高は国内銀行で約五百三十兆円(3月末時点)。 |
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NO.186 | 2007/09/29(土) 日本経済新聞より |
インフレ率2.1%に上昇 ユーロ圏 9月 ECB目標を超える 【ベルリン=赤川省吾】 欧州連合(EC)統計局は28日、ユーロ圏十三カ国の九月の消費者物価上昇率(速報値)が前年同月比で2.1%になったと発表した。金融市場の信用不安が消えない中でインフレ率が欧州中央銀行(ECB)の政策目標である「2%未満」を超えた。市場関係者はECBが追加利上げに踏み切るかどうか注目している。 8月のインフレ率は1.7%だった。世界的な食料品やエネルギー価格の上昇に加え、失業率の低下で個人消費が底堅いことが物価上昇の要因になっているとされる。 ECBは金融市場の混乱防止のため、九月六日に開いた理事会で確実視されていた利上げを見送った。だが、2007年通期ではインフレ率が2.0%になるとみており、物価上昇に対する警戒姿勢は崩していない。トリシェ総裁ら執行部は再利上げになお意欲を見せている。 |
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NO.185 | 2007/09/20(木) 日本経済新聞より |
基準地価 3大都市圏 2年連続上昇 伸び率5.1%に 「全国」は0.5%下落 国土交通省が十九日発表した2007年の基準地価(7月1日時点)は、堅調なオフィス需要や投資マネーの流入を背景に、東京、大阪、名古屋の三大都市圏で住宅地なども含めた全用途の平均が2年連続で上昇、伸び率も拡大した。地方も中核都市や有力観光地に地価上昇が波及している。ただ、地方全体では下落が続く。全用途の全国平均も0.5%下落し、率は縮まったものの、十六年連続のマイナスだった。 商業地、16年ぶり上昇 全国平均は商業地が1.0%上昇し、十六年ぶりに上昇に転じた。住宅地は0.7%の下落、下落率は4年連続で縮小した。けん引役となったのは三大都市圏で、全用途平均が5.1%上昇し、前年の0.9%から上昇率が高まった。 特に東京都は全用途平均が12.4%の上昇と二ケタ台の伸び率を記録。住宅地の上昇率も昨年の3.5%から9.9%へ拡大した。大阪圏、名古屋圏でも、全用途平均の上昇ペースが昨年より加速した。 地方圏も中核都市などは上昇が顕著に。札幌、仙台、福岡の三市と、長野県軽井沢町では商業地の平均上昇率が二ケタ台を記録した。函館や静岡、浜松、岡山、広島、松山、鹿児島、那覇も商業地の平均が上昇した。 ただ、大半の地域では下げ止まりの兆しは見えない。商業地の83%、住宅地の86%の調査地点で下落が続いた。収益性などを背景にした地方圏内での地価の「二極化」が進んでいる。 ――中略。 全国の平均地価の水準はバブル期のピーク(91年)に比べ、住宅地が約三十五%下落して83年ごろの水準。商業地が六割り超下げ、比較可能な77年以降の最低水準圏にとどまっている。 |
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NO.184 | 2007/09/14(金) 日本経済新聞より |
都市部への人口流入 加速 〔景気データ) 戦後3度目、成長下支え 都市部への人口集中が加速している。総務省が住民基本台帳に基づいて地域間の転出入者数を調べる「人口移動報告」によると、東京・名古屋・関西の三大都市圏への転入超過数は2005年、06年と急増。長らく国内移動人口の総数が減少傾向にある中で、十六年ぶりに転入超が年間十万人を越えた。 ■バブル期以来 統計のある1954年以降で見ると、最初に大都市への人口流入が増えたのは高度経済成長期だ。57年から70年までは三大都市圏への転入超過数が毎年四十万人を超え、高成長を支えた。その後、石油危機などで転入超が急減。76年には始めて転出超過となった。 二度目の集中期は80年代後半のバブル期。85〜89年は転入超過数が毎年十万人を超えた。 バブル期後、「失われた十年」の間は再び急減し、93年からは三年連続で転出超となった。 今回は96年から転入超過が増え始めており、戦後三回目の大都市集中期といえそうだ。 ■渋滞など悪影響も BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「ヒト・モノ・カネ・の経営資源が収益性の高い大都市に集まると経済成長につながる」と指摘。 資源集積が新しいビジネスチャンスを生み、公共サービスが効率化する経済効果をあげる専門家もいる。 一方で、過度な人口集中は住宅問題や交通渋滞を招き、中長期的に成長に悪影響を及ぼすとの見方もある。災害が起こったときのリスクも高い。都市と地方をめぐる問題は経済成長、財政健全化の両面で焦点になってきている。 |
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NO.183 | 2007/08/26(日) 日本経済新聞より |
坪1億8000万円ナリ 東京のティファニー銀座本店 ゴールドマン購入 公示地価首位8割上回る額 米大手投資銀行のゴールドマン・サックスが米宝飾品大手のティファニーから東京都中央区の銀座本店ビルを約三百七十億円で取得する。敷地面積一坪(三.三平方メートル)当たりの購入額は約一億八千万円。世界的な信用収縮で欧米中心に大型の不動産取引が冷え込んでいるが、日本の都心優良物件の争奪戦は過熱気味な状態が続いているといえそうだ。 ティファニーは2003年、それまで入居していた銀座・中央通り沿いの本店の土地と建物を約百六十五億円で購入。今回、入札で買い手を募ったところ国内外の投資銀行やファンドなどが名乗りを上げ、最高額を提示したゴールドマンへの売却を決めた。ティファニーはゴールドマンと同ビルの長期賃借契約を結び、営業を継続する。 ゴールドマンの一坪当たりの取得額は、今年の公示地価で全国首位となった「山野楽器銀座本店」(一坪当たり一億九十八億円)を約八割上回る水準。ゴールドマンは今月上旬に不二家などから、今回物件のほぼ真向かいにある「銀二ビル」を取得しており、日本を代表する商業地の銀座で積極的に不動産を取得している。 |
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NO.182 | 2007/08/25(土) 日本経済新聞より |
医療費、最高の33兆円 05年度厚労省調べ 高齢者増加が影響 厚生労働省は24日、2005年度に医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が三十三兆一千二百八十九億円となり、三年連続で過去最高を更新したと発表した。高齢者の増加や医療技術の高度化が主因。一人当たりの医療費も二十五万九千三百円と過去最高だった。05年度は医療制度の改革がなく、医療費の膨張を抑えられなかった。 05年度の国民医療費は前年度比で3.2%増。内訳は高齢化の影響が1.8%、自然増が1.3%増、人口増によるものが0.1%増とした。国民一人当たりの医療費を年齢別に見ると、65歳未満の平均は十五万九千二百円なのに対し、65歳以上は六十五万五千七百円。 傷病別に見ると、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞など循環器系の疾病が最も多く、全体の21.5%を占めた。 医療費の財源の内訳は、国・地方を合わせた公費支出が前年比5.1%増の十二兆六百十億円。保険料による負担は1.8%増の十六兆二千八百九十三億円だった。 |
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NO.181 | 2007/08/23(木) 南日本新聞より |
赤ちゃん0.5%減 54万人 1〜6月 人口動態統計速報 厚労省「出生率は上昇も」 今年1〜6月に生まれた赤ちゃんの数が、前年同期に比べ二千七百十四人(0.5%)減で、二年ぶりにマイナスに転じていたことが二十二日、厚生労働省の人口動態統計速報で分かった。 ただ、出産世代の女性人口がそれ以上に減少しているため、今年の合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子供の推定数)は「昨年の1.32を上回る可能性もある」(同省統計情報部)という。 速報によると、1〜6月の出生数は、五十四万六千五百四十一人。二月以降は五ヶ月連続で前年同月を下回った。 出産世代の女性人口(十五〜四十九歳)は、前年同期に比べ0.6〜0.7%減少している。 1〜6月の婚姻は、三十五万九千九百二十五組で、前年同期と比べ八千四十組(2.2%)減少。特に2〜4月に大きく減っており、七月以降の出生数の減少に影響を与える可能性があるという。 出生数から死亡数を引いた人口の自然増加数は、1〜6月でマイナス二万二千四百七十四人で、自然減となった。 |
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NO.180 | 2007/08/15(水) 日本経済新聞より |
年金連合会 不動産開発に投資 大手と連携 賃料収入を期待 今年度 最大6500億円 国内最大の民間年金基金の企業年金連合会は、2008年度から不動産の開発事業への投資を始める。大手の不動産会社と組んで高層のオフィスビルや商業施設を新たに建設し、テナントから得る賃料収入で年金資産を増やす。最大で運用資産十三兆円の五%にあたる六千五百億円程度を投資にあてる方針。年金マネーの不動産市場への流入が本格化する。 企業年金連合会は転職などで勤務先の厚生年金基金を脱退したり、基金が解散した会社員の年金資産を引き取って代わりに運用し、年金を給付する民間機関。 転職者の増加で運用資産はこの四年間で二倍強に急増したが、現在の運用先は株式と債券にほぼ限定している。株式運用は株価の上下で運用成績が大きく振れる一方、国内債での運用は年二%以下の利回りしか期待できない。 不動産投資は一般には株式より安定性があり債券よりも利回りが高いとされ、米カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)など海外の年金基金は積極的に取り組んでいる。運用資産の分散で利回りを安定させる効果もあると連合会は見ている。 連合会の前身の旧厚生年金基金連合会はバブル期に一時値上がりを狙って不動産投資をしたが、市況悪化で1992年度に停止。この反省から今回は「不動産の値上がり益は狙わず、賃料収入の獲得だけを目的にする」(年金運用部)。十年を超える長期投資を原則とし、短期売買向きの不動産投資信託(REIT)などは投資対象にしない。 重点的に投資するのは東京ミッドタウン(東京・港)のような大規模な都市再開発事業。連合会は計画段階から事業に参画し投資物件の収益性向上に努める。 すでに不動産開発に詳しい人材確保に動いており、今後は大手不動産会社と連携して投資案件を発掘する。将来は空港などのインフラ整備にまで投資対象を広げる考え。 企業年金の上部組織である連合会が、不動産投資に乗り出すことで、今後は傘下の厚生年金基金など企業年金が追随する可能性もある。連合会に加盟している約千四百の企業年金の資産合計は五十兆円程度で、不動産投資が広がれば市場にも大きな影響を及ぼしそうだ。 ただ、不動産開発事業は、賃料が下がったりテナントが集まらないなどで投資が失敗するリスクはある。年金基金が不動産で安定した利回りを確保するためには、投資物件選びが課題になる。 |
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NO.179 | 2007/08/14(火) 南日本新聞より |
15年ぶり高値 平均5300万円 首都圏マンション 7月調査 都心部に”億ション”続々 不動産経済研究所(東京・新宿)が十三日発表した七月の首都圏のマンション市場動向調査によると、平均価格は五千三百五万円で前年同月より六百万円近く上昇。1992年11月(五千七百十一万円)以来の高値となった。都心部で一億円を超える”億ション”が相次ぎ発売され、全体を押し上げた。 新規発売戸数は前年同月比10%減の六千四百九戸で、その内二百八十八戸が億ションだった。大半が都心部に立地し、東京二十三区の平均価格は七千百九万円と九百万円近く上昇した。積水ハウスが東京・渋谷で売り出したマンションは平均で三億円を超えた。 発売月の契約率は74.1%で5.9ポイント低下。物件や地域によって売れ行きの差が大きく、野村不動産が東京・千代田で売り出した億ションは全三百六戸が即日完売した。 一方、埼玉県、神奈川県の平均契約率は64%と好調の目安とされる70%を下回った。同日発表した近畿圏のマンション市場動向調査では、平均価格は三千五百五十八万円で三十一万円上昇した。 |
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NO.178 | 2007/08/11(土) 日本経済新聞より |
最低賃金、平均14円上げ決定 地方・中小企業に試練 給与水準押し上げ 採用や立地 戦略練り直し迫る 最低賃金の引き上げを検討していた中央最低賃金審議会(厚労省の諮問機関)は十日、引き上げの目安を全国平均で時給十四円とする結論をまとめた。今後最低賃金法の改正が検討され、最低賃金は来年以降も上昇する可能性がある。賃金上昇は消費の回復要因になる一方で、地方企業や人手を多く使うサービス業などでは、生産性向上など経営体力の強化が求められそうだ。 ―中略 スチール家具の注文生産を手掛ける仁張工作所(大阪市東大阪)の仁張正之社長は「優秀な人材を確保するため、さらに賃金を引き上げる必要が出てくる」と予想している。―中略 自動車部品の技研精機(東京・板橋)の宮崎昭社長は「この程度の水準の賃金を出せない企業は淘汰されても仕方がない」と話す。すでにパートなどの時給は最低賃金を上回って上昇傾向にある。好業績企業が採用を増やせばさらに人材の不足感が高まり、賃金水準を一層押し上げる可能性もある。秋田県の機械メーカーの社長も「周辺の同業者はみな最低賃金を上回っており、経営にほとんど影響はない」と話す。―中略 生産性の向上必要に |
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NO.177 | 2007/08/09(木) 日本経済新聞より |
近鉄 高さ日本一 300mビル 国内最大の百貨店入居 大阪市に建設 総事業費700〜900億円 近畿日本鉄道は八日、大阪市に高さ約三百メートルと日本一の超高層複合ビルを建設すると発表した。総営業面積で国内最大となる百貨店やオフィス、高級ホテルを入居させる。総事業費は七百億―九百億円で、2014年春の開業を目指す。大阪中心部では高層ビルを核とした再開発計画が相次いでおり、東京都心のビル建設ラッシュが波及してきた格好だ。 |
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NO.176 | 2007/08/03(金) 日本経済新聞より |
設備投資 すそ野拡大 非製造業加速、今年度9.2%増 全産業は11%増 政投銀調べ 2007年度も企業の設備投資は堅調に推移しそうだ。日本政策投資銀行が二日まとめた設備投資調査によると、07年度の投資計画は全産業で06年度の実績に比べ11.0%増え、四年連続で増加する。非製造業は電力や運輸がけん引し、十六年ぶりの高い伸び。製造業も高水準の投資を保つ。好調な企業業績を背景に、製造業から非製造業へと投資のすそ野が一段と広がりつつある。 |
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NO.175 | 2007/08/03(金) 南日本新聞より |
2年連続人口減少 (住基台帳動態) 死亡者最多108万人 総務省が2日発表した三月三十一日現在の住民基本台帳に基づく人口動態によると、全国の人口は、前年に比べ千五百五十四人減の一億二千七百五万三千四百七十一人となった。人口減少は1968年の調査開始以来、初めて減った昨年に続き二年連続となった。 65歳以上の老年人口の割合は21%と過去最高を更新。死亡者は八千八百九十三人増の百八万千百七十四人で過去最多となり、総務省は「老年人口や死亡者の増加で、少子高齢化や人口減少社会の進行が速くなっている」と分析している。 又、東京、名古屋、大阪の三大都市圏の人口は六千三百五十三万九千三百六十二人と、九十二年に三大都市圏の調査区域を変更して以来、初めて全人口の半数を上回り、大都市圏への人口集中を裏付けた。――以下略 |
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NO.174 | 2007/08/02(木) 日本経済新聞より |
路線価 平均8.6%上昇 3大都市圏、上げ幅拡大 北海道・福岡もプラスに 国税庁は一日、相続税や贈与税の算定基準となる2007年分の路線価(一月一日現在)を公表した。全国約四十一万地点の標準宅地の平均路線価は一平方メートル当たり前年比8.6%、一万円増の十二万六千円で、二年連続の上昇となった。東京・表参道や大阪・キタの御堂筋など都市部の一部で上昇率が四十%を突破。地価の上昇傾向が東京、大阪、名古屋の三大都市圏だけでなく、地方の中核都市にまで広がり始めている。 圏域別の上昇率は、東京13.1%(前年3.5%)、大阪8.1%(同0.7%)、名古屋9.1%(同2.1%)。三大都市圏はいずれも二年連続の上昇。前年マイナス5.7%だった地方圏も0.0%の横ばいとなった。 都道府県別でみると、三年連続の東京、二年連続の千葉、愛知、京都、大阪など十二都道府県で上昇を記録した。前年までの下落から上昇に転じたのは、北海道、宮城、埼玉、神奈川、滋賀、兵庫、福岡の各県。静岡、奈良、岡山、愛媛、の四県は横ばいとなった。下落が続く三十一県のうち二十六県で下落率が縮小しており、下げ幅が拡大したのは大分県だけだった。 県庁所在都市の最高路線価は、東京の七年連続など計二十都市で上昇した。昨年は上昇率が二十%を越えたのが東京と名古屋の二都市だったが、今年は札幌、仙台、横浜、京都、大阪、神戸、福岡、が加わり計九都市に増えた。 路線価トップは二十二年連続となる東京・銀座(鳩居堂前を含む銀座中央通り)で、前年比三十三、三%上昇の二千四百九十六万円。 都市部の上昇 伸び引き上げ ▼路線価 主要な道路に面した土地一平方メートル当たりの一月一日時点の評価額。2007年中に土地を取得した場合、今回公表された路線価を基に税額が決まる。全国の国税局・税務署で「路線価図」が公表される。 路線価は国土交通省が毎年三月に発表する公示価格の八割を目安に算出。公示地価の伸び率が全国平均で0.4%にとどまったのに対し、路線価が8.6%の上昇と大きな差が出たのは、公示地価が調査地点の前年との変動率を単純平均するのに対し、路線価は調査地点の地価額の平均値で前年と比較するため。路線価は地価水準が高い大都市の上昇を映し、全体の伸び率を引き上げた。 |
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NO.173 | 2007/07/26(木) 日本経済新聞より |
高齢者向け賃貸住宅 民間病院の参入解禁 厚労省 医師と連携、緊密に 厚生労働省は民間病院を経営する医療法人に、高齢者向け住宅賃貸事業への参入を解禁する。入居者の安否を定期的に確認する見守りサービスの提供を条件に、不動産業の兼営を禁じた医療法上の規定を緩和。医師、看護士ら医療スタッフと連携を密にした高齢者向け住宅を整備する。心身に不安を抱えがちな高齢者が安心して暮らせる場を増やし、団塊の世代の高齢化で高まる居住ニーズに備える。 【高齢者専用賃貸住宅】高齢者世帯の入居を拒まない賃貸住宅で、国土交通省が2005年12月に登録制度を作った。家賃、住戸設備、食事や入浴といった日常生活サービルの有無など詳細な情報開示が登録の条件で、全国に一万二千戸余りがある。有料老人ホームや介護事業などを手掛ける株式会社や社会福祉法人が参入している。 |
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NO.172 | 2007/07/22(日) 日本経済新聞より |
インフレに備える投資術は? 株式への評価で一致 資産運用の環境が変化しつつある。株価や商品相場の上昇に加え、公示地価も十六年ぶりに上昇に転じた。ここ数ヶ月わずかにマイナスが続く消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)も「2009年には一パーセントに近づく上昇率になる可能性がある」(大和證券SMBCの末沢豪謙チーフストラテジスト) 今後はインフレを意識した投資戦略も頭に入れておく必要がありそう。そこで専門家三人に望ましい投資対象を聞いたところ、株式への評価で一致したほか、不動産や商品なども対象に挙がった。 ただ確実にインフレになるとは限らず、資産の多くをこうした商品に投じるのはリスクもある。余裕資金の一部で慎重に対応したい。(聞き手は手塚愛美) フジマキ・ジャパン代表 藤巻健史氏 確かに消費者物価は落ち着いているが、投資家にとって大切なのは卵の価格ではなく、株や土地の価格。すでに株価は03年の安値から二倍以上になり、都心部では地価上昇も進んでいる。すでに「資産インフレ」の状況で、今後も緩やかな資産インフレが続くと見る。4〜5年先には消費者物価も上昇してくるだろう。インフレ時代は現預金が逆にリスク資産となる。 勧めるのは株式と不動産を中心とする運用だ。株式と不動産の価格は特に海外で上昇しており、この恩恵を受けるために外貨建て資産も持ちたい。円安ドル高基調は今後も続くだろう。米国の金利はまだ上がると見ており、米国債を買う場合、長期は避けて一年物などで運用したい。日本国債を買う場合も同様だ。 株式と土地の値段は一緒に動く傾向にあるので、不動産価格も上昇するだろう。今の低金利の間に長期固定金利でお金を借りて、不動産投資をするのも有効だ。都心部はすでにかなり上がっているので、地方都市の立地のいい場所に投資用マンションを買うのがいいのではないか。不動産投資まではできないという場合は、土地を豊富に持つ企業の株式を購入するのも手だ。 立正大学経済学部教授 林康史氏 原油価格はさらに上昇しそう。中国の発展もあって世界的に資源価格が上がり、日本でも物価が徐々に上がるだろう。預貯金や債券などの金利連動商品ではインフレに追いつかない。株式のほか商品(コモディティー)、不動産など”現物資産”を買うべきだ。 日本株はあと十〜二十年は上がる。新日本製鉄と韓国ポスコが提携したように、アジアの経済成長は日本企業の再編も促し、国内でも世界の経済発展を享受できる。セクター別にナンバーワン企業と、ユニークな技術や商品を持つオンリーワン企業を組み合わせて買いたい。 コモディティーは長期間にわたって価格は右肩上がりだろう。特定の商品価格が特殊事情で上昇しているのではなく、原油価格と同様に全般的に商品価格が上がっている。資産の一部にコモディティーを組み入れるとインフレ抵抗力が高まる。純金積み立ては保管料などコストが若干高いので、商品指数に連動する投信や商品のETF(指数連動型上場投資信託)でいいと思う。 不動産投資もいいが、地価上昇で以前ほどうまみがなくなっているので、注意して物件を選びたい。とはいえ都心部では今後さらに独身者が増え、賃貸マンションの賃料も上昇していくのではないか。 ファイナンシャルプランナー 木戸一郎氏 世界的に商品市況が上がっている。円安も影響し、いずれ最終消費財の価格に反映されるだろう。インフレリスクは高いと言えそうだ。 米国ではここ五十年くらいの期間で見ると、債券の平均リターンが五パーセント程度なのに対し、株式は同十二パーセントだった。株式は相対的にインフレに強い。 業種ごとに、強い企業を世界中から選び、自分なりに投信のような分散投資のポートフォリオ(運用資産の配分)を作ってもいいのではないか。 ただしより急激なインフレが続く時期には、さすがに株式のリターンも下がる。資産全体の五パーセントぐらいは、保険として急激なインフレリスクに備える商品に振り向けてもいい。具体的には物価連動国債だ。 これはCPIに連動する国債で、CPIが上昇すると国債の元本と利息が増える仕組みだ。個人が直接購入することはできないが、物価連動債で運用する投資信託を通じて購入できる。 インフレ時には不動産賃料も上昇する。不動産投資信託(REIT)は、以前に比べてかなり利回りが下がっているが、まだ価格の上昇余地はあると思う。 |
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NO.171 | 2007/07/17(火) 日本経済新聞より |
BRICs株投資 急拡大 昨年末2.3倍 投信などに個人資金 2兆円突破 日本からBEICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)への株式投資が拡大している。投資信託を含めた株式投資残高は2006年末時点で、前期同期比2.3倍の二兆一千二百七十億円と過去最高を更新した。個人投資家が高収益を期待して、これらの国の株式で運用する投信などの購入を増やしている。今年に入ってからも投資額は増えているもようだが、先進国よりも株価が大きく変動する傾向があり、損失が生じるリスクにも注意が必要との指摘は多い。 |
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NO.170 | 2007/06/28(木) 南日本新聞より |
95集落消滅の恐れ 鹿県49市町村・本社アンケート 厳しい過疎浮き彫り 鹿児島県内で将来、人が住まなくなり「消滅の恐れがある集落(または町内会・自治会)」は、九十五ヶ所に上ることが27日、南日本新聞が行った県内四十九市町村アンケートで分かった。このうち五十四ヶ所は今後十年以内に消滅の恐れがあると見られ、「ムラが消える」という厳しい過疎の一端が浮き彫りになった。調査は六月初旬、書面で実施し、回収率100%だった。 回答によると、県内の集落(又は町内会・自治会)総数は七千三百十八。「消滅の恐れがる集落(同)は大隈半島の自治体に多く、七割の六十七箇所を占めた。この十年間で実際に消えたのは計十二ヶ所だった。 ――以下略 |
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NO.169 | 2007/06/21(木) 日本経済新聞より |
ファンド活用し開発 福岡市の賃貸マンション 三井不動産 年2〜3棟計画 ファミリー 米系に7棟売却 福岡市で不動産投資ファンドを活用した賃貸マンション開発が活発になっている。三井不動産がグループのファンドを活用して賃貸マンションの開発に乗り出した。地元デペロッパーのファミリー(福岡市、橋本大輔社長)も外資系ファンドに全物件を売却する。両社ともファンドへの売却などで資産リスクを減らすとともに、新たな物件開発を急ぐ。 |
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NO.168 | 2007/06/12(火) 日本経済新聞より |
公的年金 給付水準 日本、主要七か国中最低 現役時代の4割どまり OECDが試算 現役時代の収入と比べた公的年金の給付水準は、日本の単身男性は四割と主要国で最低であることが経済協力開発機構(OECD)の試算で分かった。高齢化を映して公的年金の伸びは今後も抑えられる。OECDは私的年金の拡充などで老後所得を補う必要性を強調している。 OECDは各国の年金の給付水準を比較しやすくするため、平均収入のある男性を例にとり、老後に現役時収入の何%の年金を受け取るかを試算した。日本の比率は三十九%で主要七カ国では最低。全加盟国の中で日本を下回るのはアイルランドなどしかない。 日本の比率を平均並みに高めるには計算上、2004年で13.9%の保険料率をすぐに20%に上げる必要がある。OECDは給付開始年齢の引き上げなど制度を柔軟に見直すべきだと指摘している。(パリ=野見山裕史) |
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NO.167 | 2007/06/10(日) 南日本新聞より |
京セラ 薩摩川内市と立地協定 工場増設 来年3月操業へ 京セラ鹿児島川内工場(薩摩川内市高城町、米盛久美工場長)は九日、自動車部品などの加工工具工場を増設する立地協定を薩摩川内市と結んだ。現敷地の北側隣接地に整備する。六月中に着工し、2008年3月の操業予定。地元を含む約百人を初年度に新規雇用する。 同工場によると、増設は自動車部品を加工する「切削工具」の需要増に対応するため。約一万六千平方メートルの敷地に鉄骨五階建て(延べ床面積約四万平方メートル)を新設する。土地や設備などの初年度投資は約六十五億円。 切削工具の生産量や売上高は公表していないが、増設によって三年後は現在の1.6倍の売り上げ増を見込む。同工具は国内外八工場で生産するが、川内工場が主力だという。 工場増設は三月に同市に申し入れ、同市土地開発公社が地権者との用地買収交渉を進めてきた。 同市役所であった調印式には、森卓郎市長や市橋保彦県副知事らが出席。森市長は「四度目の増設で、世界に飛躍する同社は薩摩川内市の誇り。定住促進につながり、本年度一番の大きな宝」と期待。 米盛工場長は「雇用創出などで地元に貢献していきたい」と述べた。 同工場は1969年に生産開始。約十八万平方メートルの敷地に二十一工場がある。2007年3月末の従業員は三千三百三十三人(パート含む)06年度3月期の生産額は約九百二十億円。 |
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NO.166 | 2007/06/12(火) 南日本新聞より |
藤田ワークス工場増設 霧島市と立地協定 70人を新規雇用へ 精密板金加工の藤田ワークス(藤田幸二社長)が霧島市国分上野原テクノパークの本社隣接地に工場を増設することになり、十一日、霧島市と立地協定を結んだ。 同社は半導体や液晶製造装置向けの高精度精密板金加工、化学プラント製造などを手がける。現本社工場が手狭になったことに加え、自動車関連や航空宇宙産業の生産設備製造など新規分野への事業展開をにらみ、増設を決めた。 一万三千七百平方メートルの敷地に工場(一部二階建て、延べ床面積三千四百平方メートル)と事務所(三階建て同約千百平方メートル)を新設する。六月中旬着工、十月操業予定。投資額は約十億円。新工場の初年度生産額は五億円、2010年度までに現工場を含め年商三十億円を目指す。新規雇用は地元を中心に七十人を見込んでいる。 同社は経済産業省の「2006年版元気なモノ作り中小企業三百社」に選ばれた。現在の従業員六十四人、年商十六億円。 調印式で藤田社長は「今後も他社がまねできないものづくりを追求していきたい」と述べた。 |
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2007/06/08(金) 日本経済新聞より | |
REIT指数 急落 3.3% 今年度最大の下げ 長期金利上昇 魅力薄れる 不動産投資信託(REIT)の価格下落が目立ってきた。東京証券取引所の上場銘柄の値動きを示す東証REIT指数が七日、3.3%下げて今年最大の下落率となった。長期金利が上昇してREITの平均配当利回りに接近し、債券に比べ投資する魅力が薄れたことがREITに売りが膨らんだ要因と見られる。 調整一時的の見方も ――中略 REITの配当利回りは03年10月で4.40%と、長期金利を3%弱上回っていた。REIT各社は投資家への配当水準を高めに据え置いているが、REIT価格が上昇したため、配当利回りが下がっている。 同様にREIT投資の収益性を示す「還元利回り(キャップレート)」の低下も売りを誘う一因となっている。年間の賃料収入からコストを引いた収益を不動産取得価格で割った還元利回りは、東京・丸の内などの一部の大型オフィスビルで03年10月に5%程度だったが、現在は2〜3%に低下している。東京都心部を中心に期待先行で地価が上昇し、取得競争が激しくなった結果、物件の購入価格が上昇したためだ。 ただ、現在のところ、REITの調整は一時的との見方が多い。「金利上昇が一服すれば、賃料上昇の期待から買戻しが入る可能性がある」(クレディ・スイス証券の大谷洋司アナリスト)という。 東証REIT指数は都心部の賃料上昇に対する期待から外国人投資家などの買いが集まり、五月三十一日には2612.98と2003年4月の算出開始以来の最高値を更新。昨年末からの上昇率は三割に近づき、高値警戒感が指摘されていた。「足元の価格を割高と感じ利益確定売りのきっかけをうかがっていた投資家が多かった」(みずほ証券の石沢卓志チーフ不動産アナリスト)ことも、下げに拍車をかけたとみられる |
NO.164 | 2007/06/05(火) 日本経済新聞より |
都市機能 都心集約へ新基準 福岡県、空洞化歯止め狙う 福岡県は四日、大型店などの郊外進出を抑え都市機能を都心に集約させるため、大規模施設の立地基準を新たに作成したと発表した。大型店の郊外進出で進む中心市街地の空洞化に歯止めをかける狙い。 この新基準は「大規模集客施設の立地ビジョン」。 大型ショッピングセンターや病院、公共施設などが集まる県内百七ヶ所を「拠点」に指定し、その中でも福岡天神の西鉄福岡駅周辺や北九州市のJR小倉駅周辺など三十七ヶ所を「広域拠点」に設定した。 ビジョンは、広域拠点に関しては立地する施設の床面積に上限を設けないなど、大規模施設が拠点、広域拠点に集まるように誘導。それ以外での立地は抑制する。 同県はこのビジョンを県内の都市づくりの基本となる「都市計画区域マスタープラン」に盛り込む。 |
NO.163 | 2007/06/01 (金) 日本経済新聞より |
産業資材値上げ 再び加速 原油など高騰 日経商品指数42種 22年ぶりの高水準 ガソリン価格やクリーニング代 消費者にも波及 主要な産業用資材の国内卸売価格で構成する日経商品指数四十二種が三十一日、二十二年ぶりの高水準に達した。原油など資源価格の高騰が石油化学製品などの値上げを再び加速させている。 原燃料高は消費者にも波及し、航空運賃やクリーニング代を引き上げる動きもある。一進一退の消費者物価を押し上げる要素が少しずつ増えてきた。 |
NO.162 | 2007/05/30(水) 日本経済新聞より |
2025年 全都道府県で人口減 44都道府県 2035年には65歳以上が3割超 国立社会保障・人口問題研究所が二十九日に発表した都道府県別の将来推計人口によると2025年からすべての都道府県で人口が減少する見通しとなった。 高齢化も全国で進み、35年には44都道府県で六十五歳以上の人口が三割を超える。 足元では出生率は反転・上昇したが、中長期の人口減少は避けられず、東京など都市部への人口集中も一層進む見通しだ。 |
NO.161 | 2007/05/26 日本経済新聞より |
設備投資 5年連続増加 本社調査 今年度8% 非製造業けん引 電力28%増 日本経済新聞社がまとめた2007年度の設備投資動向調査で、全産業の当初計画(対象千五百五十六社、連結ベース、国内外合計)が五年連続で前年実績を上回った。伸び率は八,七%と06年度実績(十二,六%)より鈍化したものの、高水準を維持した。電力などがけん引して非製造業が九,八%増と五年ぶりに製造業の伸び(八,〇%)を上回った。景気拡大の恩恵が幅広い業種に及んできたことが民間設備投資の持続力を高める形になっている。 |
NO.160 | 2007/05/24(木) 日本経済新聞より |
オフィスビル高額売買相次ぐ NY、ロンドン、東京 海外マネー流入で活況 日米欧の三大都市で高額のオフィスビル取引が相次いでいる。ロンドンでは英銀最大手HSBCが本社ビルを十億九千万ポンド(約二千六百億円)と英不動産史上最高額でスペインの不動産会社に売却。ニュウヨーク、東京でもそれぞれで過去最高額となる取引が成立した。オフィスビル需要が高まり、海外マネーが流入していることが背景にある。 ロンドンではオフィスビルの価格が急騰している。米不動産ティッシュマン・スパイヤーは二棟のビルをそれぞれ六億五千万ポンド、三億五千五百万ポンドで売却した。一、二年前の購入時と比べ二十五%ほどの高値だった。 不動産相場を支えるのはロンドンで事業を拡大する海外の金融機関だ。大手米銀JPモルガン・チェースが欧州拠点となる自社ビルの建設を決めるなど、ロンドンのオフィスビル需要を押し上げている。 ティッシュマン・スパイヤーはニュウヨークでも高額物件の売却を決めた。年初にマンハッタン五番街の四十一階建てビルを米国のオフィスビルとして過去最高額の十八億ドル(約二千百億円)で売却した。 日本でも東京都千代田区の複合ビル「パシフィック・センチュリー・プレイス」が昨年、単独のビルとして過去最高額の二千億円で売却が成立した。 米系不動産クッシュマン・ウェイクフィールドによると、ロンドン、ニュウーヨーク、東京など金融サービス業が集積する都市ではオフィスビルの優良物件の賃貸料が2006年に前年比で二十三〜四十%上昇した。世界二百十一都市平均でも上昇率は前年の六%から十二%と二ケタに乗せた。同社は「オフィスビルへの需要は旺盛でIT(情報技術)株バブルが崩壊した01年以来の活況」と説明している。 |
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(ロンドン=吉田ありさ) |
NO.159 | 2007/05/22(火) 南日本新聞より |
分譲マンション建設ラッシュ 「将来性ある街」 「合併で需要増」 霧島・国分市街地 霧島市の国分市街地で高層の分譲マンション建設が相次いでいる。昨年一年で2棟完成し、現在も3棟が工事中。いずれも3LDKなどファミリー向けが中心で、各社は「国分・隼人は将来性のある街。合併でさらに需要は高まっている」との強気の読みをしている。 国分地区で最初の分譲マンションは02年1月、ユニカ(福岡市)が建てた中央5丁目の11階建て(59戸)といわれている。 その後、大英産業(北九州市)が05年3月、近くに12階建て(59戸)、昨年10月には同3丁目に14階建て(50戸)を完成させた。さらに現在、国分松木に10階建て(54戸)を建設中で10月に完成予定だ。現地モデルルームに常駐する山本尚弘課長代理(32)は「反応はいい。30代と年配の方が中心」という。 昨年6月、国分野口に10階建て(20戸)を建て、販売も自らする上田工業(延岡市)は鹿児島県には初の進出。国分を選んだのは「県内で一番、将来性が有るとともに海、山、温泉と自然も豊富だから」(小野豊喜取締役営業部長)という。 又、国分中央3丁目では原弘産(下関市)の14階建て(65戸)が来年2月完成する。販売を担当するMBC開発の下神孝文・モデルルーム所長(36)は「国分・隼人地区は合併でさらに人口が集中している」と見通しの明るさを語った。このほか国分野口西では作洲商事(福岡市)が13階建て(58戸)を建設中で、来年6月に完成させる。 経産省の地域経済研究会は05年末、人口減少が進む日本で30年時点でも地域経済が拡大するのは南九州では国分市(当時)だけと推計した。 国分不動産センターの山元正司社長は「国分地区での分譲マンションはまだ始まったばかり。あと5、6棟はできるのでは」とみている。 |
NO.158 |
2007/05/13(日) 南日本新聞より |
南国殖産 鹿中央駅前 2大型ビル 12年春完成 1棟はオフィス用 日生ビルなど再開発 南国殖産(鹿児島市、永山在紀社長)はJR鹿児島中央駅前の所有地を中心に約七千平方メートルを再開発、二つの大型ビルを建設する。同市中央町の南国日本生命ビルとなりにオフィスビルを先行して新築。新ビルへ本社機能を移転させた後、南国日生ビルは周辺を含めて一体的に整備し、バスターミナルなどの入った複合ビルに立て替える。同社は二棟のビルの外観を統一し「中央駅前の新しいシンボル、ランドマーク的存在にしたい」としている。 日生ビルなど再開発 南国日生ビルは、築約40年と老朽化。同社は2011年の九州新幹線全線開通を控え、駅周辺で進む再開発に歩調を合わせた。2棟は12年初までに完成、総事業費は百億円以上になる見込み。 オフィスビルは、南国日生ビル南側の18番街区で同社が所有する駐車場約二千九百平方メートルに建設する。地上九階、地下一階、延べ床面積約二万五百平方メートル。鹿児島商工会議所ビルとほぼ同じ規模で、南国日生ビルの1.5倍程度になる。今年十月に着工、2009年春の完成予定。 一、二階は金融機関などの店舗が入る。三〜九階は、最先端のオフィスビルとして東京に誕生した「新丸ビル」並みの高い天井や、最大千五百平方メートルに及ぶ柱のないフロアを確保する計画。高度情報化に対応した県内初の本格的インテリジェンスビルとなる。 大規模コールセンターを誘致する計画もあり、相当の地元雇用も見込める。隣地の17番街区は、約百台収容の立体駐車場と店舗が入るという。 一方、南国日生ビルがある11番街区に予定する複合ビルは、現在金融機関や民間が所有する周辺地域も含めて一帯を再開発したい考え。今後関係者との協議を進める。オフィスや店舗、バスターミナルのほか、上階にはホテルが入る構想もある。 複合ビルは、オフィスビル完成翌年の10年春に着工し12年春完成を目指す。 |
NO.157 | 2007/05/12(土) 日本経済新聞より |
上場企業 4期連続最高益 機械や商社けん引 前期本社集計12%経常増益 企業収益の拡大が続いている。日本経済新聞社が11日集計した上場企業の2007年3月期決算は、連結経常利益が前の期に比べ12.2%増え、4年連続で過去最高を記録した。 新興国の経済成長をはじめ世界的な景気拡大を追い風に、機械や商社、自動車などがけん引。円安も輸出企業の利益を押し上げた。08年3月期は、円高を見込む企業が大半で、増益率が鈍化しそうだ。 |
NO.156 | 2007/05/02(木) 日本経済新聞より |
「大機小機」 人口集中と地域格差 人口の大都市圏への集中が再び進み始めた。とりわけ東京圏と名古屋圏への集中が目立つ。地方でも福岡、札幌、広島といった中核都市には人口が集中している。その一方で地域間の経済格差が問題視され、人口移動がその格差を一段と広げる懸念が指摘されている。 歴史を見ても、1960年代や80年代後半のように、人口の都市集中期には地域間の経済格差が拡大した。しかし、大規模な人口移動は経済の成長期と重なることも歴史の事実である。60年代は高度成長期だし、80年代後半はバブル経済に沸いた時期だ。今回も景気拡大が五年を超えて続いている。 成長期には産業構造が高度化し、生産性が高まる。それが最初に起こるのは多くは都市部であり、その過程で都市と地方の生産性の格差が広がる。生産性の格差は賃金の格差につながる。そして人口は生産性=賃金が低い地域から高い地域に移動する。これが人口の都市集中と経済成長、地域間格差拡大の時期が重なる理由である。 人口移動は過密による効率低下という外部不経済を引き起こす懸念があるし、人口が減る地域で経済活力が低下すれば格差が一段と拡大する。しかし、生産性の高い産業部門で働く人が増えれば、国全体の生産性は上がり、成長が加速する。 グローバル競争がますます厳しくなっているのに、主要国の中で日本の生産性は必ずしも高くない。人口減少社会で経済の成長力を保つためにも生産性引き上げが急務になっている。その意味で、今回の人口移動を否定的にとらえるべきではない。 長期的には市場メカニズムのなかで地域格差も縮小に向かうと見られる。人口移動には、家族と離れたくないといった経済合理性で図れない要素があるとはいえ、労働力が高賃金地域に移動し、低賃金地域の労働力過剰が薄まれば格差は縮まる。資本も低賃金地域に向かって流れるので、地域の生産性は高まる。 もちろん、取り残される地域は出てくるから政府の仕事はある。だが、こうした生産要素の移動に歯止めをかけることだけはすべきではなく、資本の移動についてはむしろ促進策をとる必要がある。たとえば、農業の規制緩和を進め、企業が投資しやすいようにすれば、地域的に広がりのある格差対策になる。知恵の絞りどころである。(眠り独楽) |
NO.155 | 2007/04/07(土) 日本経済新聞より |
福岡県への純転入数 14年ぶり一万人超 九経調調べ、車産業雇用増 九州経済調査協会が六日まとめた2006年の九州沖縄地域の人口移動状況によると、九州各県から福岡県への純転入数(転入−転出)が14年ぶりに一万人を超えた。自動車産業を中心とした工場が集積している地域や、雇用が増加している大都市圏への人口集中が起きている。総務省の住民基本台帳人口移動報告をもとに集計した。 九州沖縄地域内での人口移動を見ると、福岡県のなかでも福岡市の純転入数は増加しておらず、宮若市など工場立地が相次ぐ地域へ人口が集まっているもよう。また、ダイハツ九州が立地する大分県も二年ぶりに転入超過に転じた。九経調では「明らかに自動車産業の雇用創出効果」と分析している。 九州・沖縄域外との人口移動で、転入超過を続けてきた沖縄県は九年ぶりに転出超過に転じた。名古屋圏や首都圏を中心に転出者数が九・二パーセント増えた。 八県全体で見ると純転出数は前年より22%多い二万五千人超となり、二年連続で転出超過幅が拡大した。 |
NO.154 | 2007/04/05(木) 南日本新聞より |
京セラ国分 工場増設 150億円投資 来春操業 200人雇用 京セラ鹿児島国分工場(尾上和幸工場長、霧島市国分山下町)は4日、セラミックコンデンサー専用工場を増設する立地協定を霧島市と結んだ。百五十億〜二百億円を投じ、現在の工場敷地内に整備する。5月着工、2008年4月に操業予定。約二百人を新規雇用する。 県産業立地課によると、過去五年で投資額、雇用数とも県内最大規模の工場建設となる。 用地は運動競技やイベント用に使っていたグラウンド一万六千平方メートル。鉄骨5階建て(延べ床面積約三万八千平方メートル)の工場を新設する。 セラミックコンデンサーは、液晶画面の電圧安定などに使われ、携帯電話、パソコンなどの高品質化に伴って需要が増加。国分工場では、既に同コンデンサーを年三百億〜四百億個製造し、約二百億円の売上がある。増設後三、四年で生産を倍増させる。セラミックコンデンサーの世界シェアーは、京セラ全体で約12% 霧島市役所であった協定式で、尾上工場長は「将来の国分工場の中核を担う事業。雇用などを通し、地域経済の発展に貢献したい」と話した。新たなグラウンド用地として、今後、周辺敵地を取得する考えを示した。 国分工場には現在、三十の建屋があり、セラミックコンデンサーほか、半導体や自動車部品などを製造。従業員は、関連会社やパートを含め約四千六百人(二月末現在) |
NO.153 | 2007/03/23(金) 日本経済新聞より |
公示地価16年ぶり上昇 07年全国平均プラス0.4% 地方中核都市に波及 国土交通省が二十二日発表した2007年1月1日時点の公示地価は全国平均(全用途)で前年に比べ0.4%上昇し、1991年以来、16年ぶりにプラスに転じた。マンション・オフィス需要が堅調な東京、大阪、名古屋の三大都市圏がけん引役になった。地方圏全体ではなお地価は下落しているが、仙台や福岡など地方の中核都市では反転上昇した。バブル崩壊後、長らく続いた「土地デフレ」から脱却した。 地方全体は下落 全国平均の地価は、現行統計でさかのぼれる71年以降では、第一次石油危機後の75年に一時的に下落した後、91年まで16年連続して上昇した。バブル崩壊後の92年からは一転、15年連続で値下がりした。2002年以降の景気回復や金融機関の不良債権処理の進展などを背景に06年には三大都市圏の商業地が反転上昇、今年は全国に波及した。 07年の全国平均は商業地が2.3%、住宅地が0.1%上昇した。三大都市圏の商業地の上昇率は昨年の1.0%から8.9%に高まり、東京都(14.0%)と大阪府(10.3%)では二ケタに達した。住宅地も2.8%上がった。 大都市圏では、景気回復による需要増に加え、大規模再開発などで土地の収益性が高まり、投資資金が流れ込んだ。 特に都市部の一等地の値上がりが目立つ。東京都では港区と渋谷区の計二ヶ所の調査地点で上昇率が四十五パーセントを上回った。いずれも開業から一年で一千万人を集客した商業施設「表参道ヒルズ」の付近。大阪と名古屋市でも計5地点で上昇率が40%を超えた。 公示地価の評価を担当した土地鑑定委員会の鎌田薫委員長は「上昇の著しい地域では、利便性や収益性で合理的に説明できない事例も散見された」と述べ、一部の取引過熱に警戒感を示した。 地価反転は地方の中核都市にも広がった。商業地では福岡市(12.9%)と仙台市(10.8%)が二ケタの上昇率を記録。札幌市も9.3%伸びた。静岡市、浜松市、岡山市、広島市、松山市も上昇に転じた。 ただ地方圏全体の平均(全用途)は2.8%の下落で15年連続のマイナス。島根、香川、高知、鹿児島、の四県では住宅地の下落率が拡大するなど、地価下落に歯止めが掛からない地域もある。 全国平均は上昇したが、上昇地点の比率は住宅地で37.7%、商業地で43.1%。過半数の地点では下落が続いている。国交省は「一部地域の上昇が全体を押し上げている」と全国一斉に値上がりしたバブル期とは違うとみている。地価水準もバブル期のピーク(91年)に比べ、商業地は約三割、住宅地は半分の水準だ。 |
NO.152 | 2007/03/22(木) 南日本新聞より |
株式総額 50兆ドル突破 原油高背景 アジア増加 2006年末の世界の株式市場の時価総額が、前年末と比べ約23%増の計50兆6千億ドル(5千9百兆円)となり、初めて50兆ドルを超えたことが21日、国際取引所連合のまとめで分かった。原油高によるオイルマネーが株式市場に流入したことなどが原因。これまで東京証券取引所単独より小さかったほかのアジア市場全体の時価総額が、中国・香港などの新興国の成長により東証を上回った。 トップはニュウヨーク証券取引所(NYSE)で15.9%増の15兆4千億ドル。二位の東証は0.9%増の4兆6千億ドル。米ナスダック・ストック・マーケット、ロンドン証券取引所、ユーロネクストもそれぞれ増えた。同連合による上位十位の中では、東証の伸び率が最低だった。 大和総研によると、05年末のアジア全体(東証など除く)は三兆九千億ドルで東証だけのほうが多かったが、昨年末にはアジア全体が六兆千億ドルまで大幅に拡大。香港が六割増、上海が3倍になったほか、インドやシンガポールも増えた。 大和総研の取越達哉オルタナティブ投資調査室長は「アジア株には以前出遅れ感があり、今後はアジアの時代といえるのではないか」と話した。 地域別シェアでは、米国(NYSE)、ナスダックなど合計)はここ数年低下し、06年末は39%と四割を切った。上位5証取の合計シェアは世界全体の約62%に下がった。 |
NO.151 | 2007/03/17(土) 南日本新聞より |
中国 全人代、物件法案を可決 資本主義化鮮明にし閉幕 【北京16日共同】 中国の第十期全国人民代表大会(全人代=国会)第五回会議は最終日の十六日午前、安定成長に向け今年の経済成長率目標を昨年に続き8%前後とした温家宝首相の政府活動報告を承認、私有財産権の保護を強化する物権法案や外資企業と国内企業の法人税を一本化する企業所得税法案を可決し閉幕した。 2007年度予算案も採択されたが、出席した代表二千八百八十九人のうち反対・棄権が三百五十一票に上がり、無効を含む批判票が約12%となった。最高人民法院(最高裁)活動報告は批判票が約17%(反対・棄権など計四百九十四票)、最高人民検察院(最高検)報告も批判票が約16%(同四百七十五票)で格差是正や汚職対策に対する不満をあらためて浮き彫りにした。 予算では国防費として前年度実績比17.8%増の三千四百七十二億三千二百万元(約五兆二千六百億円)を計上。国防費は十九年連続で二ケタの伸び率となった。・・・・中略 物件法案は、私有財産や農民が集団所有する農地を国有財産と同様に保護することを規定。乱開発に伴う土地の強制収用などに対する抗議が相次いでいることから、農地を収用する場合の補償規定も盛り込んだ 公有制を基本とする社会主義経済から大きな転換といえ、反対論も根強かったが、中国経済の「資本主義化」が更に加速することになる。 企業所得税法案は外資の一律優遇税制を転換し、外資も国内企業も法人税率を25%に統一する。 企業家「安心して投資できる」 【北京16日共同】 中国の全国人民代表代会(全人代、=国会)が十六日に可決した物権法は国有資産と同様に私有財産権の保護に法的な裏づけを与え、中国経済の資本主義化が一段と進む見通しだ。 十月一日から施行される予定で、早期の立法化を求めてきた企業家は「安心して投資ができるようになる」(江西省の不動産企業会長)と歓迎している。 以下略・・・ |