「風 を 読 む!」 経済記事スクラップブック |
(経済記事から)NO.12
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※ページ作成者 去ト立不動産 柴立俊朗
記 事 ― 12 目 次 | |||
NO | 記事年月日 | 記 事 元 | 記 事 内 容 |
302 | 2010/04/25 | nikkei | 「日本不信」米欧市場じわり |
301 | 2010/04/17 | nikkei | マネー膨張 金・原油に流入 |
300 | 2010/04/09 | nikkei | ギリシャ国債 利回り急上昇 |
299 | 2010/03/29 | nikkei | 米長期金利に上昇圧力 |
298 | 2010/03/24 | nikkei | 家計金融資産09年末1456兆円 |
297 | 2010/03/20 | nikkei | 日銀、50兆円越す |
296 | 2010/03/14 | nikkei | 銀行の国債保有最高 |
295 | 2010/03/03 | nikkei | ソブリンリスクと財政再建(上) |
294 | 2010/02/26 | nikkei | 欧州経済 正念場に |
293 | 2010/02/21 | nikkei | GDP上げ底のワケ |
292 | 2010/02/09 | nikkei | インド成長率7.2% |
291 | 2010/02/02 | nikkei | 米、3年連続1兆ドル突破 |
290 | 2010/01/26 | nikkei | 国の借金 973兆円 |
289 | 2010/01/22 | nikkei | 中国、成長維持を最優先 |
288 | 2010/01/16 | nikkei | 中国外貨準備23%増 |
287 | 2010/01/07 | nikkei | 世界経済のリスク |
286 | 2010/01/01 | nikkei | 出生数 再び減少 |
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NO.302 | 2010/04/25(日) 日本経済新聞より |
「日本不信」米欧市場じわり 「財政悪化」・政策混迷で 国債の信用低下、格付け会社が警告 米欧市場で日本への不信感が広がっている。格付け会社フィッチ・レーティングスは22日、「日本国債の信用が中期的に低下するリスクがある」と警告した。 政府債務の増加など財政悪化に歯止めがかからず、鳩山政権の政策運営も混迷の度を深めている。日本の成長に向けた道筋が見えないことに、海外からの視線は厳しい。 ■株式にもかげ落とす■ フィッチは22日に公表したリポートで「政府債務は拡大する一方で、家計の貯蓄率は緩やかな低下が見込まれる」と指摘。国債の大量発行の受け皿となってきた国内投資家に余力がなくなれば、日本国債の信用力は中期的に低下が避けられないと結論付けた。 日本の政府債務は増加を続け、2009年の残高は国内総生産(GDP)の約2倍に拡大。「格付け対象国で日本の債務負担の比率が最も大きい」(フィッチ) ギリシャの財政問題をきっかけに世界の金融市場ではソブリンリスク(国家の信用リスク)を意識せざるを得なくなった。長い目でみれば経済大国の日本でも徐々に信用リスクが顕在化してくるとの懸念がある。 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も1月下旬に、日本国債の格付け見通しを「安定的」から「引き下げ方向」(ネガティブ)に見直した。財政再建の遅れや、中期的な経済成長が見込みにくいことを理由に挙げた。 存在感低下は株式市場にもじわりと影を落としている。年初からは外国人投資家の買いで上昇してきたが、その理由は「他国に比べた株価の出遅れの反動による短期的な戻りを狙った買い」(国内運用大手スパークス・グループの阿部修平社長)との見方が根強い。 ■政治の機能不全指摘■ 米欧から見れば、日本は中国などアジアの成長市場に地理的に近い利点がある。だが、米金融調査会社ストラテガス・リサーチ・パートナーズのトレーナー氏は「政府の過剰債務や人口減による内需縮小を考えると中長期では手がけにくい」と語る。 金融危機を経て、景気のてこ入れや国家の成長戦略など政府の果たす役割は格段に増した。これまで以上に政策運営の手綱さばきが求められる中にあって、日本の政治の機能不全を指摘する声も強い。 「民主党政権の誕生で新しい政治への期待が高まったが、今は失望しかない」――― 日本通で知られるジェラルド・カーティス米コロンビア大教授は23日、英フィナンシャル・タイムズ紙に寄稿した。 デフレ脱却や財政再建を喫緊の課題と位置付けるべきで、「高速無料化や郵政見直しばかりを議論すべきではない」と批判。しかし骨太の政策立案を期待するにも鳩山政権にはリーダーシップが欠如しており「このままでは政権が崩壊し、政治的な混乱が長引くだけだ」と締めくくった。 (ニューヨーク=川上穣) |
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(柴立の独り言) ジパングの財政問題が米・欧州などの経済関係者に懸念を持たせ始めているということ。既に1月にも、格下げが発表になっている。懸念!ということは投資対象として危険!ということ。日本国債に価格下落の恐れがあり、危険ということ。国債のほとんど、約95%を国内資金で賄っているジパング。たとえ破綻しても海外に迷惑はかからない。いわゆる国内問題ということ。殊更に海外の経済関係者(投資家)が損害の懸念を感じることはないと思われる。だがしかし、もし財政がこのまま順次どんどん逼迫し、海外の資金を必要とするときが来た時に、海外の投資家資金が危険を感じ逃げ腰では必要な資金は賄えない。賄うとしたら高金利の国債を発行する羽目となる。同時に在来の国債価格は自動的に下落する。国内投資家(銀行や郵貯や年金資金や保険会社などなど)は損害が発生し、資金の融通が大変厳しくなる。「自分の預金は大丈夫!」と考えていると大間違い。高利回り国債の発行は厳しい財政状況にさらに追い討ちがかかる。財政はさらに厳しくなり、さらに高金利の国債を発行せざるを得なくなる。在来の国債はさらに下落、投資家の損害は拡大し金融は逼迫する。金利高騰でj経済は疲弊し始め、経済対策で国は更なる国債発行を必要とする。さらに高金利の国債でないと外国の投資家は買わない。時既に国内資金は完全に余裕はなく、海外の資金に頼らざるを得ないことに。海外資金は更なる高金利国債を要求してくる。・・・・・海外資金は破綻覚悟で高金利国債を求めてくるだろう。高金利時代の到来です。「日銀によって金利を下げられる!」・・・と考えていると大間違い。日銀による金融政策で低金利政策をやろうすれば、膨大な金額の紙幣を増刷することになり、それで金利を短期的には下げることが可能でもその副作用が待っている。その副作用とは! さて、どうなるのでしょうか。・・・・結末は! 財政再建が求められる所以です。 元来、財政とは将来の子孫のために黒字であるべきでしょうに。しかし、本気で財政再建を求める国民の大多数の声をあまり聞きません。今日来られた駐車場オーナーも「破綻するんですかねー」と破綻の話やギリシャのニュースを不思議がっておられた。 現に1000兆円近くにも及びさらに増加する傾向にあるジパングの財政赤字の再建とはどんな世界でしょうか。・・・ あるいは上記のような成り行きに任せて結末を受け入れるか。・・・ ギリシャの例から目が離せない。 対応策を考えるに如くはない。 対応策!思えばこのようなことを考えなければならないことは悲しいことだ。 でも、考えざるを得ない気持ちが強くなる。ジパング危うし! |
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NO.301 | 2010/04/17(土) 日本経済新聞より |
マネー膨張 金・原油に流入 バブル化の懸念も 新興国経済が好調 ・ 日米欧は超低金利 2008年のリーマン・ショック後に凍り付いていたマネーが再び動きを強め、原油や金などの価格を押し上げている。金が円建てで27年ぶりの高値を付け、原油先物は1バーレル85ドル台と金融危機後の底値の2倍以上に高騰。底値から金融危機前の高値までの半分程度を回復した。新興国経済の好調が要因だが、一部ではパブルを懸念する声も出ている。 歴史的な高値圏 リーマン・ショック前にはマネーはリスク志向を強め、証券化商品の一種でリスクが非常に高い債務担保証券(CDO)などへの投機を生み出した。危機後は一時、国債などの安全資産に一斉に逃避、CDOの新規発行はほぼ停止した。 危機に対応して日米欧主要国は総額10兆ドルといわれる国債を発行し、財政支出を拡大。中央銀行も金融緩和・資金供給に踏み切った。膨張したマネーは足元の新興国経済の好調や先進国株高などをテコに増殖し、足元では金や原油に向かいつつあるのが現状だ。 金価格は歴史的な高値圏にあり、東京市場では13日、金先物が1グラム3515円と27年ぶりの高値をつけた。ニューヨーク市場などに上場する金ETF(上場投資信託)の「SPDRゴールドマン・シェア」の時価総額は約4兆円と、08年9月から倍増。銅は08年7月以来、アルミも同年9月以来の高値に上昇している。 株式市場では資源価格上昇で好業績が連想される企業に注目が集まる。豪英資源大手BHPビリトンの株価はリーマン破綻前を2割、米金鉱大手ニューモントマイニングは同3割以上、上回る。資源国通貨もオーストラリアドルが対ドルで09年初めより3割強、カナダドルが約2割、メキシコペソが1割強も値上りしている。 再びマネーが動き出した背景は新興国経済の好調さだ。国際通貨基金(IMF)によると、09年に年率2%強にまで落ち込んだ新興国の実質国内総生産(GDP)成長率は、10年度には6%まで回復するという。ここに先進国政府・中銀の危機対応策で膨らんだマネーが引き寄せられており、「バブルの芽かもしれない」(市場関係者)との見方も出始めた。 「川上」に限定 ただ、今のマネーの動きが生んでいるのは資源高などの「川上インフレ」にとどまる。逆にグローバル化で「製品価格や人件費の下落圧力」にさらされ、内需低迷にも直面する日本などは、デフレと素材価格上昇の板ばさみに悩む可能性がある。 日銀によると、企業の収益環境を示す「交易条件指数」(販売価格指数を原材料価格指数で割った値)は3月まで4ヶ月連続で前年より悪化している。企業収益が圧迫されれば、設備投資や個人消費などに悪影響が及び、景気の本格回復の時期が遠のく恐れもある。 動けぬ先進国中銀 1年以上「超金融緩和」 自国経済下支えを優先 新興国経済の好調ぶりに加え、「川上インフレ」を生む舞台装置が日米欧で1年以上続く超金融緩和政策。低金利のドルや円を元手に高金利通貨やリスク資産に投資する「キャリー取引」が勢いを増している。「リスクマネーが中国を中心にした新興国に流れ込んでいる」(日銀の白川方明総裁)構図だ。 中国が預金準備率を2度にわたって引き上げ、インドが1年8ヶ月ぶりの利上げに踏み切るなど、新興国はおそるおそる引き締めに動いている。だが、これだけではマネーの増殖は止まらない。 みずほ総合研究所によると、世界で流通するマネーを示す「ワールドダラー」はリーマン・ショック前後の2倍近い4兆3千億ドルに達している。 こうした中でも先進国経済のもたつきは顕著。経済の「体温」を映す消費者物価指数(CPI、食料とエネルギーを除く)の前年同月比は日本が大幅なマイナスで、米国とユーロ圏も1%前後と低い。少なくとも先進国が自国内のインフレを懸念する材料は乏しい。 日米欧の中央銀行は自国の景気回復の遅れや需給ギャップに配慮し、資金供給を続けざるを得ない。米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は14日、「長期間にわたる低金利が必要」との見解を繰り返した。 新興国の好調ぶりが先進国経済に波及するシナリオは残るが、16日になって米証券取引委員会(SEC)がゴールドマン・サックスを訴追したことが発覚。マネーが再びリスクに過敏になる可能性もあり、リーマン・ショック前のように「リスクからリスクへ」と渡り歩くほどの勢いはない。ギリシャ問題で財政リスクも意識されるようになり、マネーが国債から金などに一時的に非難している面もある。 日米欧の中央銀行には、2000年代半ばに金融緩和を続けたことがマネーの暴走につながり、「金融危機を引き起こした」(通貨当局者)との反省もある。この教訓を踏まえ、超金融緩和から早期に脱却して新興国経済の過熱の芽を摘む必要性を指摘する声もある。 だが、国内の民間需要が高まらない中では緩和継続以外の選択肢は乏しい。過去数十年、過剰流動性と苦闘してきた各国中銀は今もまた新たなジレンマに直面している。 |
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(柴立の独り言) いよいよ「一直線に本格的な資源高」になっていく!と見るべきか。 あるいは、暴騰暴落を繰り返しながらもトレンドとして少しずつ高騰していくと見るべきか あるいは、資源高など長くは続くはずはない、再び元に戻る!と見るべきか いつでもそうだが、現実の経済は希望通りには動かないものである。 ましてやグローバル経済! リーマン・ショック直前に暴走するマネーの勢いもあり、資源高は既に経験している。 あれから2年、今回の資源高の要因が何であるかははっきりと見える。 新興国経済の好調さだけが要因ではないはず・・・ 相変わらず、マネーの暴走はいつの世も起こり 得る事である。人間が人間である限り。 加えて今回は前回にも増してマネーが世界中に溢れまくっているという状況が加わっている。 証券バブルや資源バブルが再び起こらないとは限らない。人間が人間である限り。 今回の金融危機は米国だけにとどまらない証券バブルが世界中に蔓延し、そのバブルが各種のバブルを生んでいた。結局は関わっていた国々のバブルがはじけたという単純な構図を忘れてはならないだろう。金融バブル崩壊という一見複雑そうな経済事件でも、元を辿れば金融ビッグバンといわれる証券バブルを作り出しておいてそのバブルがはじけただけのこと。問題は単純なのだと思う。 だがしかし、問題は深刻そのもの! 元来、経済の中では物と貨幣はバランスが取れていなければならないのではないだろうか。 証券バブルは実物と貨幣のバランスを極端に壊したのではないだろうか。 金融の行き過ぎである。おカネがお金を産むシステムを作り出し、それに人々が踊ったことが異常なのでは? 危機に直面して各国が形振りかまわず大量の資金(貨幣)を世界中に供給し続けている現実。 だから問題は殊更に深刻! だと思われる・・・・・が。 経済を余りにも「肥大金融経済化」してしまっていることが問題だと思うのだが、もう元には戻りそうもない。ジパングを含めいずれいつの日か清算を迫られるときが来るのだろう。 |
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NO.300 | 2010/04/09(金) 日本経済新聞より |
ギリシャ国債 利回り急上昇、最高水準に 【ロンドン=石井一乗】 金融市場でギリシャ国債の価格が急落し、利回りが急上昇している。8日には10年物国債利回りが一時7.5%まで上昇。ドイツ国債に対する上乗せ幅も一時4.5%となり、ともに2001年にギリシャがユーロを導入して以来の最高水準に達した。アテネ株式市場では預金流出などを背景に銀行株が急落した。 政府の資金繰り問題に加え、金融システムを巡る懸念も浮上している。同国中央銀行によると今年1、2月に国内預金者がギリシャの銀行口座から約80億ユーロ(約9900億円)を引き出した。ロイター通信は、同国政府が08年に導入した金融支援策の未執行分を実施するよう、国内銀行が求めたと報じ、銀行経営を巡る不透明感が増した。ギリシャに対する投資家の不安心理が一段と膨らんでいる。 同国国債の債務不履行時に元本保証を受けるための保証料を表すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率も上昇し、アイスランドの料率を上回った。 ユーロ圏諸国はギリシャが市場で資金調達できなかった場合の支援策で合意したが、うまく機能するのかどうか市場の疑念は消えていない。 (関連記事) 英金利据え置き 中銀、量的緩和も維持 (ロンドン=吉田ありさ) 英中銀イングランド銀行は8日の金融政策委員会で政策金利を過去最低水準である現在の0.5%に据え置いた。英国債などを買い取る量的緩和策は総額2000億ポンドの現在の水準を維持する。 |
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(柴立の独り言) 財政危機! 次は、ポーランド、スペイン・オランダ・・・と欧州各国の財政危機は頻発するだろうと見られている。1人ギリシャだけにとどまらない財政危機は欧州全体を巻き込んで経済の撹乱要因となるのだろう。今は財政規模の小さい国から危機が表面化して来ているが、いずれ財政規模の大きい国にも問題は及ぶとみられる。各国政府はこぞって財政支出を強いられ金融危機の恐慌化を防止してはいる、加えて欧州中央銀行や英中央銀行等も前代未聞の超低金利を導入してまで金融恐慌化を免れようと必死である。表面上は危機を乗り切ったように見えても、問題の先送りであって、事態はもっと深刻な状況になりつつあると見るのが妥当なところだ。裏を返せば危機の影響は止まるところを知らない・・延々と続くと見ておこう。 金融危機を金融恐慌化にしなくて済むよう「金融機関救済策」という財政出動の方策を取らざるを得なかったがために財政危機という次の難題が待ち構えているのだ。 ジパングは今回の金融危機の痛手は諸外国ほどではないという。にもかかわらず世界に類を見ないGDP比2倍近い財政赤字を抱え込んでおり、1000兆円にもなるとか・・・元来、財政とはプラスでなければならないはずだが・・・・・・・。 財政破綻に向けてカウントダウンに入ったジパングの財政破綻(政府の一部に財政再建に増税とか何とか言い始めている人たちはいるが)と世界の国々の財政問題が複合的に重なったときに、一体どんな経済現象が起こるのか想像しておくに如くはない。 「たいさく」を怠りなく!するに如くはない。 |
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NO.299 | 2010/03/29(月) 日本経済新聞より |
米長期金利に上昇圧力 10年債利回り、4%に接近 【ニューヨーク=山下茂行】 米長期金利の上昇圧力が強まっている。指標となる10年物国債の利回りは先週、年4%の大台に一時急接近した。ギリシャに端を発した南欧の財政問題でソブリンリスク(国家の信用リスク)に敏感になっているほか、人民元やグーグル問題を背景に、中国による米国債購入が鈍化しかねないと懸念されていることなども材料視されている。 信用リスクに警戒感 対中摩擦も懸念材料 米10年物国債相場は24日に急落(利回りは急上昇)。フィッチ・レーティングスがポルトガルの長期格付けを引き下げたのを受け、ソブリンリスクを嫌気する空気が強まる中で大量の売りが出た。5年物国債の入札が不調に終わったことも加わって、売りは加速。翌25日には利回りは一時3.92%と約9ヶ月ぶりの水準まで上昇した。 先週後半は対ユーロでドル相場が上昇する場面が目立ち、南欧諸国ほど米国のソブリンリスクが深刻に意識された形跡はない。ただ、景気対策に伴う大量の国債発行が続いているため「供給過多による需給の崩れ」(米調査会社ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツ)を懸念するムードはじわじわと強まっている。 24日の5年物国債入札では、海外中央銀行などを含む「顧客の応札」が約189億ドル(1兆7000億円)と昨年7月以来の水準に低迷。市場では「人民元などを巡る摩擦から、中国が米国債の買いを手控えているのでは」(米国債トレーダー)との憶測も浮上する。邦銀勢の買いが鈍っているとの声も出ている。 米国では国勢調査の実施に伴い、今年前半を中心に政府による一時雇用が増える。4月2日発表の3月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比で30万人増えるとの予測もあり、予想外の雇用改善で景況感が改善し、利上げ時期が早まるとの観測などが出て債券の売り要因になることを警戒する空気も広がる。一方、米連邦準備理事会は(FRB)は3月末で住宅ローン担保証券(MBS)の購入を打ち切る。 財政不安が広がる中での景気見通しの好転、金融政策正常化への不透明感、米中摩擦による米国債の消化停滞懸念――。長期金利の上昇圧力が続けば、住宅ローンなど融資金利にも波及し、一進一退の住宅市場や企業・家計向けの貸し出しに悪影響が及びかねない。 |
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(柴立の独り言) 通常の経済状況であれば、中央銀行の金利操作で景気の操作が可能である。金利の操作は中央銀行による景気対策の一環として操作するものと考えているが、中央銀行の操作力のとても及ばない強い力で、長期金利が上昇するところまで来たらどうなるのだろう。経済の自然現象という金利上昇には、いかな中央銀行でもコントロール力を失っていくのだろう。中央銀行とて万能ではないと思われる。中央銀行など及びもしない強大な経済という怪物の動向を人類は止めることが出来るのだろうか。否というしかない。何故なら、中央銀行の対策に甘んじているうちに事の重大さが中欧銀行の力以上の事態に発展してしまっていくからだと思う。 一度、清算しなければならないときが必ず来る。 その清算の凄まじい状況を今から考察しておくに如くはない。・・・ (関連記事)2010/03/31(水) 日本経済新聞より 「大機小機」 閉塞感が強まっている。経済は海外頼みとなっている。政治は人気取りの瞬間芸頼みで、方向が定まらず、大きい政府に退化しつつある。その政府財政は厳しい状況だが、今ひとつ危機感に乏しい。 日経平均株価は1万1000円を超えたとはいえ、金融危機前の水準ではない。金利は1%台をさ迷い続け、金融機関に対する手数料を差し引けば、最終投資家の個人にほとんど収益をもたらさない。一方で、多くの投資家の資金はパフォーマンスに不満を募らせつつも国内にとどまったままだ。 日本の国際的な地位が低下しているにもかかわらず、世界のトップ近くにまで上がり詰めた20年前の栄光が幻影となり、市場や政治の背後に出没している。このため、多くの政治家や経営者は、日本の惨状を認めてこなかった。 日本に求められるのは、過去の奇跡的経済発展という幻影をぬぐい去り、現在の国力を客観的に評価し、これまで積み上げてきた多くの有形、無形の財産を未来に向けて最大限に用いることだ。残念ながら、これらの財産がむざむざ風化している。このため、日本の地位の低下に拍車がかかろうとしている。 では、現状の打開に何が必要なのか。国債金利の上昇という黒船の登場だろう。政府と市場全体を目覚めさせ、維新をもたらすには、この黒船の登場が一番の近道だ。 金利上昇は金融を混乱させ、銀行はもちろん、年金にも多額の損失をもたらす。とはいえ、本来の金融とは、経済や財政の状況を分析し、リスクの大きさを評価し、資産保有の方法を客観的に検討することにある。たとえ政府が国債での運用を勧奨していたとしても、それが多額の損失を正当化することはない。 政府財政も混乱することだろう。しかし、この混乱がごく近い将来に生じるなら、日本には回復のための体力が残されている。混乱が先になればなるほど、収拾が困難になる。この意味で財政改革が喫緊の課題だが、これまでの政治は先延ばし政策を採用してきた。この結果は、政府債務残高が個人金融資産残高に急速に接近してきた事実である。国力の浪費でしかない。 問題は、誰が黒船役を演じるかだ。個人を含め、投資家の不満が臨界点に達しつつあることからすれば、次の景気後退局面を経て、投資家から黒船が出現すると考えておきたい。 (発亥) (柴立の独り言) ・・・日本だけにとどまらず、今世界の先進国で同じような状況が起こりつつあると見る。国債価格の下落が金利の上昇という現象を生み出し、金利の上昇が国債価格の更なる下落を呼び、国債価格の更なる下落が更なる金利の上昇となり、国債価格は暴落する、国債価格の暴落が金利の高騰となり、金利の高騰は国家財政の内容をさらに危機的状況に追い込むとともに、一般経済が高金利状況に持ち込まれ、企業も個人も高金利負担が増大し、更には金利高騰による物価上昇も始まる。金利負担の増加と物価の上昇と企業の倒産、失業という3重4重の苦汁を味わう一大不況に進化する。勿論、国は膨大な額となった借財を抱えて破綻し、一般企業も破綻する、個人も破綻する。もはや統制の効かない経済状況が創出され人々は高金利負担や物価上昇に耐えかね、一部では暴動や騒乱が引き起こされ、ゼネストはおろか、政権の転覆など国を挙げての大混乱は極に達することだろう。その過程のなかで、高負担に耐えかねた人々は労働運動を通じて給与の増額を求めだす、時既に半端な給与増額では済まないほどの物価上昇にはいっており、その給与の増額が一体何をもたらすか・・言わずもがなである。効率インフレがハイパーインフレとなり、グローバル経済の下マネーが飛び交い、世界同時インフレとなるなら、インフレを競い合う程の世界中を巻き込んだ「サイクロンインフレ」が現実のものとなって襲ってくる・・・。あるいはサイクロンインフレ以上の猛威を振るうのかもしれない。よく心して待機するべきなのだろう。どうしても避けられない経済現象が襲ってくる。 人類はその猛威を止める知恵を持ち合わせているのだろうか。 あるいは杞憂なのだろうか? 予測は難しい。しかし、間違っていても「当たらずもがな遠からず」で予期しておくに如くはない。 既に資源価格は上昇し始めている現実! 鉄鉱石90%価格上昇で決着、原油1バーレル80ドル突破・・・・・・ 新興国台頭に継ぐ、大躍進的経済成長・・・・ |
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NO.298 | 2010/03/24(水) 日本経済新聞より |
家計金融資産 09年末1456兆円 3年ぶり増加、株価上昇の影響 個人、リスク投資に慎重 預金志向強まる 個人がリスクの高い金融資産への投資に慎重になっている。2009年末の個人(家計)のリスク資産残高は前年より増えたものの、増加は株価上昇などの影響が大きかった。個人の多くは景気の先行きに自信を持てないでおり、生活防衛意識は高まる一方。新規の投資には慎重で、むしろ安定的な運用が見込める預金などを増やしている。 ■資産の価値かさ上げ 日銀が23日発表した09年10〜12月期の資金循環統計(速報)によると、個人のリスク資産の残高は09年末時点で162兆7102億円。株式(出資金を含む)、投資信託、外貨預金、対外証券投資が含まれるリスク資産は前年末に比べて16.4%増えた。増加は06年末以来、3年ぶりのことだ。リスク資産に預金などを加えた金融資産の合計残高は1456兆3740億円となり、こちらも3年ぶりに増加した。 リスク資産拡大の追い風となったのは株価の上昇だ。株価は金融危機の影響で08年末に低迷していたが、その後の景気の緩やかな回復とともに上昇基調に転じている。09年末の日経平均株価は前年末に比べて2割近く上げた。個人投資家が保有する株などの金融資産の価値もかさ上げされた。 ■新規投資を抑制 ただ、株価の上昇や下落など資産価値が変動する影響を除いた「売買の動向」でマネーの動きを追うと、異なる風景が見えてくる。09年に個人はリスク資産を3664億円売り越しており、投資信託は1兆9581億円の大幅な売り超しだった。 保有資産の残高が拡大すれば投資家の心理は好転し、本来なら投資には拍車がかかるはず、にもかかわらず、個人は新規の投資を抑制していた。背景にあるのは生活防衛意識の高まりだ。内閣府がまとめた09年の雇用者報酬(名目)は08年比で4.0%減少。目減りしていく収入を前に、家計は景気の回復基調を実感できないでいる。 ■「貯蓄から投資」とは逆行 収入の減少を受け、個人は家電など一部政策効果がある分野を除いて、消費を抑制している。投資や消費を絞り込んで浮かせた資金が向かっているのは預金だ。現金・預金は11兆9517億円の純増。この大部分をしめたのが定期預金だ。現金・預金の残高は過去最高の803兆5149億円に膨らんだ「貯蓄から投資へ」に逆行する流れが勢いを増しつつある。 個人による今後のリスク投資について、市場では見方が分かれている。三井住友銀行の山下えつ子チーフ・エコノミストは「足元の相場は乱高下しやすく、リスクに見合ったリターンを得にくい。株式相場が安定的に上昇するような展開になれば、個人による投資も戻ってくる」とみる。 一方で、悲観論もある。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「所得や雇用など将来への不安は簡単にはぬぐえない。公示地価などにみられる土地のデフレも顕著。当面はリスク投資に強い逆風が吹く」と指摘する。 |
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(柴立の独り言) 個人金融資産残高と国家財政赤字額とを比較しても意味のないことかもしれないが・・・ 国と地方の財政赤字は既に1000兆円に及びつつあると思われる。個人金融資産のうちの現金・預金残高(803兆円)を突破しており既に「食い潰した!」状況。 次に保険や年金資金を食い潰しつつある状況と見る。しかし、年金や保険金は統計的に将来どうしても必要欠くべからざる資金である。手を付けるわけには行かないもの、しかし食い潰していると見て差し支えない。 残るは株価の上昇に期待されるが、財政赤字の増加幅と株価の上昇幅との競争となる。果たして株価の上昇が国家財政を守り抜き、有り余るほど上昇すると考えられるだろうか。 現今の国家予算(歳入・歳出の不釣合い)の組具合から見て、財政赤字は今の傾向を推察するに、1500兆円にも2000兆円にもならんとして行くとみられるのに・・通常では株価が上昇するとは見られない。 いずれ遠からず、国家財政赤字額が個人金融資産残高以上になることは間違いのない事実となる。国全体のバランスシートという視点から物事を見れば、マイナス状況いわゆる債務超過となる。現実は破綻である。言い換えれば国が個人金融資産のすべてを食い潰して行くと言えなくもない。土台1456兆円ともいわれる金融資産があるから大丈夫!と悠長に構えて来たから・・・今でも構えているから1000兆円もの財政赤字を造っても平然でいるのであり、元来そんな金融資産が皆無であればとっくにこの国は破綻しているのである。破綻を免れ得て来たのは1456兆円もの金融資産が有って、市場も認め、そのことが破綻そのものを伸ばし伸ばしして来ているだけのこと・・・ それでもなおかつ危機感が乏しいのはなぜなのだろうか。摩訶不思議なジパングとなっている。平穏なこの摩訶不思議さに、「あるいは自分の方が狂っているのか」とも思いたくなるし、国家が狂っているのか・・・・事態は悪化していくのみ・・・・ いずれにしても、この国の「破綻のカウントダウン」は始まった。 さて、その時はいつか?そこを見抜くのがポイントであろう。 「風を読む!」その本領を発揮するべきときが来る。読み切る努力をしていきたいものだ。 空恐ろしい状況が想像されるが・・・ それも甘んじて受け入れなければならない、 逃れられない受け入れさせられる経済の必然現象! 果たしてこの国に、この難局を受け入れ、切り抜けた暁に再びすばらしい日本を築くバイタリティーが有るのだろうか。 あるいは 今向かっている最悪の状況を止める、あるいは避けるための日本人の英知!大和魂が発揮されるのだろうか。経済現象は好転も悪転も図らずもがな人が作り出す現象そのもの・・・ |
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NO.297 | 2010/03/20(土) 日本経済新聞より |
国債保有残高 日銀、50兆円越す 2月末 資金供給拡大受け 日銀の国債保有残高(月末ベース)が2年3ヶ月ぶりに50兆円を超えた。市場への資金供給を増やすため、買い取り続けた国債が積み上がっている。日銀には長期国債の保有残高をお札の発行残高以内に抑制する規則(銀行券ルール)がある。お札の発行残高は伸び悩んでおり、その差が少しずつ縮まってきた。 2月末の国債保有残高は51兆5691億円で、前月末比3.3%増えた。日銀は2009年3月、金融危機対応の一環として毎月の国債買取額を4000億円増額し、1兆8000億円とした。この措置が残高の増加に拍車をかけた。 一方、2月末のお札の発行残高は77兆890億円で、0.2%増にとどまった。個人消費の伸び悩みなどを受けて、小幅な増加にとどまった。 政府内には「デフレを克服するため、国債買い取り額をさらに増やすべきだ」との声もくすぶる。だが日銀は国債買い取り額の拡大に慎重だ。国債の買い取りが財政赤字の穴埋めに使われるとの見方が広がれば、市場が「財政規律が失われた」とみなして長期金利が上昇しかねないためだ。 銀行券ルールにはもともと一定の財政規律を担保する狙いがある。国債保有残高とお札の発行残高の差がさらに縮まるようなら、日銀の国債買い増しにも影響を与える可能性がある。 |
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(柴立の独り言) 今、実際に「50兆円!」という事だが、 いずれ銀行券ルールは変える羽目になる。現ルールが絶対ではない。 ルールは変えられてしまう。人間(政権)切羽詰れば何でもやる。変えることができる。 変えなければならないときが来る。・・・来ている。 だから、いずれ500〜1000兆円となる!・・・かも 想像を絶する予測!と思われるだろうが、 最近の私の予測は意外と的中することが多い訳だが・・ こればっかりは的中しないことを祈るのみ・・・ひたすら祈りたいとも思う。 ジパングの財政規律は守れそうにない! おそらく守らない、守れない。守ろうともしていない。 命がけで率先して財政規律を守ろうとしている人(指導者)は見当たらない。 口では財政規律を!と言うが命懸けではない。 国民の大方も財政規律に真剣ではなさそうにみえる! 国が何とかするだろう・・・とか。 何とかなるよ・・・・とか ここまで来ても、今まで何も異常なことは起こっていないではないか・・・とか・・・ 騒ぎたてることでもない・・・とか・・・ 財政赤字は1人の優秀な指導者の力で解決できる程度の額でもない。 巨額の資産家や企業やだれかが財政赤字全額を負担してくれるものでもない。 国民一人一人、全員が債務返済という目標に向かって返済していくしか方法はない筈だが・・・ なのに、その返済の意識があるのか皆目見当が付かない。確実な返済の意思が有るとは見えない。返済意思はないのかも・・・ 財政赤字の有無さえも理解しようとはしていないのではないかとも思いたくなる。 なのに銀行だけならまだしも、日銀までもが国債を買い続けているという不思議さ、異常さ。 一時的な措置ならともかく、連続して買い続けている。それも増額しなければならない状況なようだ。 返済の充てのない債権を国民一人一人の財産で買っている銀行。 国の借金(国債)を紙幣を印刷してまで買いつづけている日銀。 連帯責任という無神経さか、、無責任というそしりは免れないだろう。 普通銀行が国債を買っている様は自分たちの財産(預金)を返済意思のはっきりしない国に貸している(自分たちで食いつぶしている)構図なのに・・・ 銀行にとっての預かり預金は直接自分の金ではないので、国が破綻しても直接的な損害はないと思っているのだろうか・・・とも思いたくなる。 自分が、「このジパングは大変なことが起きる」と思っているのとは反対意識のなかに この国は1500兆円や2000兆円の財政赤字などものともしない“異常に強い国”なのではないかと思いたくなるぐらい国民の皆さんが悠長に見える。さて真実はどうなのだろうか。 不安とともに、空恐ろしい状況ではある。危機は迫っていないのだろうか? 今年度の予算の44兆円の財政赤字はつじつま合わせの嘘で実態は60兆円にもなると見込んでいるが、誰も止められないでいる。 異常な状況に立ち至るジパング! 経済のファンダメンタルズは下降気味で税収の増加は見込めない。 |
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NO.296 | 2010/03/14(日) 日本経済新聞より |
銀行の国債保有最高 1月末 126兆円、資金需要が低迷 リスク基準超す地銀も 国内銀行の国債保有が過去最高を更新している。今年1月末の残高は126兆4千億円と、2008年秋の金融危機から1年余りで1.5倍に膨らんだ。企業の資金需要が低迷し、預金で集めたお金を貸し出しではなく、国債に振り向ける傾向が強まっている。国債相場の安定にはつながっているものの、銀行本来の役割を果たせていないとの指摘もある。一部に地方銀行では国債保有が増え、金融庁の「金利リスク基準」を超えたもようだ。 日銀の統計によると、リーマン・ショック直後の08年9月末の銀行の国債保有残高は83兆4千億円だったが、その後は増加傾向が鮮明になっている。保有残高は大手銀、地銀ともに毎月のように過去最高を更新している。 背景にあるのが資金需要の低迷だ。金融危機時の資金繰り難を乗り越えた企業の多くは業績が回復しても、銀行借入には慎重な姿勢を見せている。今年2月の銀行の貸出残高は400兆円と、3ヶ月連続で前年同月を下回った。政府は銀行に積極的な融資を求めているが、貸し出しは頭打ち傾向にある。 預金は緩やかに増え、530兆円を超えた。預金がどれだけ貸し出しに回ったかを示す「預貸率」は75%程度と過去最低水準で、銀行は貸し出しに回せない預金の大半を国債に充てている。 国債は他の有価証券や貸し出しに比べて焦げ付くリスクなどが小さいとされてきたが、国債保有が大きくなると、金利変動の影響が銀行財務に及びやすくなる。そのため金融庁は銀行が過度な金利変動リスクを抱えることがないよう、監督指針のなかに、「アウトライヤー基準」と呼ぶルールを設け、必要に応じて注意を促すことにしている。 「アウトライヤー基準」は金利が急変動した場合に、国債を初めとする有価証券や長期金利固定型の住宅ローンなどが銀行の財務に与えるダメージを一定の算式で試算する内容。この数値が自己資本の20%を超えた銀行には聞き取りなどを通して、改善を促す。20%を超えると、すぐに経営に問題があるとみなされるわけではないが、銀行にとっての目安になる。 メガバンクは昨年9月末時点で同基準が10%を下回っているが、20%を超えた地銀があるもよう。数値を公表している地銀は全体の3分の1にとどまるが、きらやか、八千代、七十七、山陰合同、十六の各行は18%を上回った。 10年度の国債発行は財投債や借り換えも含めて162兆円に膨らむ見通しだ。国債発行残高は09年9月末時点で680兆円。このうち4割近くをゆうちょ銀行を含めた銀行部門が引き受けることで、発行に支障は出ていないものの、地銀の一部では国債買い入れ余力が小さくなってきた。債券市場では「基準が相場に与える影響は限定的」(国内証券会社)とされるが、預金を有望な会社や事業に振り向けて経済成長につなげるという銀行本来の役割が弱まっているとの指摘は多い。 |
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(柴立の独り言) 「銀行」と「国」と「日銀」と更には「国民」までもがつるんでいる姿を目の当りにすることになる。という事ですナー。言葉が適当ではないかもしれないが一蓮托生とはこのことか? 「経済を甘く見てはいけないよ!」ということ! 元来、ジパングが不況から抜け出せないのはなぜなのでしょうか。 よくよく考えてみる必要がある。 何か原因がるから・・・ 不況から抜け出せない要因がしっかりと居座っているから・・・だと思います。 その要因を除かない限り、永久に不況から抜け出すことができないのです。 その要因とは? バブルがはじけて既に不況20年、 しかも、まだまだ不況は続き、おそらく不況30年ともなるだろう。 何事でも、20年も努力し考え続ければそれなりの知恵も沸き、結果も出るもの、 なのに、その手立てを打てないでいるジパング。 気付いていても実行しないジパング。あるいは手立てに気付かないジパング? もし、手立てに気付いていないとしたら、終末現象? そうこうしている間に借金1000兆円とはこれ如何に! どこまで膨らませることができるのか。 嫌味な言い方をすれば、ジパングの実力の見せ所との見方もできるわけだが・・・ 以後、果たしてどの時点で破局(経済という怪物が襲う)はやってくるのだろうか。 油断はならない。 |
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NO.295 | 2010/03/03(水) 日本経済新聞より |
【経済教室】 慶応義塾大学教授 櫻川昌哉 ソブリンリスクと財政再建(上) 日本も外国人の目意識を (ポイント) 日本では市場からの財政規律動きにくく 金利上昇すれば、国債借り換えが困難に 先物主導で国債暴落の可能性否定できず ソブリンリスクとは国家のリスクという意味で、端的には投資家が外国債を買った際のリスクをさす。最近、ギリシャやスペインなどで財政破綻の懸念が報じられ、ソブリンリスクが取りざたされているが、日本のソブリンリスクも現実味を帯びつつある。 政府支出92兆円に対して税収37兆円、国債新規発行額44兆円という2010年度の政府予算案が確定したあたりから、日本の財政破綻の可能性を示唆する論調が増えつつある。政府債務残高は、10年度末には973兆円に達する見通しで、国内総生産(GDP)を500兆円と見積もると、GDPに対する債務残高が大台の2を突破するのは間近である。7カ国(G7)の中で1を越えるのは他に1.2のイタリアだけである。 鳩山由紀夫政権は、6月までに中長期の財政再建計画を提示する方針である。子ども手当ての満額支給や高速道路無料化の完全実施を既に決め、また社会保障費は毎年1兆円のペースで増加する見通しだ。他方、消費税率を4年間据え置くことを表明している鳩山政権は、実現性のある財政再建計画は描けるのか。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ ここで、政府の中長期の再建見通しを先取りするかたちで、今後の債務残高(GDP比)の推計をしてみよう。 ――中略―― このシュミレーションによれば、国民が10%の消費税率の上昇に合意すれば、何とか財政再建の道筋を描くことができるが、5%の上昇では不十分であるというかなり厳しいものである。ただし、この計算は、@社会保障関係費がそれほど増えないA日本経済の特殊性を考慮して金利が低位で安定し続けるB実質GDPは1.5%成長を続けると仮定した比較的甘めの見通しであり、消費税率を15%にしても予断は許されない。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ では、財政が破綻すると経済にどのくらいの損失が発生するのか少し敷衍(ふえん)してみよう。 最近の例としては、01年12月のアルゼンチンのケースがある。財政悪化を契機に外国人の売りで国債価格が暴落。外貨建て国債の米国債との金利差が1ヶ月で約10%から65%程度に急上昇し、外国人が保有する国債の元利払いが滞るデフォルト(債務不履行)宣言に追い込まれた。金利上昇に伴う急激な信用収縮で、国内の貸出残高は半減し、GDPと消費は、1年間で約15%下落した。 アルゼンチンの財政破綻の損失が大きかったのは、大量の外国債に依存していたからで(当時、政府債務の67%が外国債)、日本の国債はほとんど(約95%)を国内投資家が保有しているので、財政破綻してもその影響はそれほど大きくないという反論もあろう。この説はどの程度正しいのか。国債の大半が国内投資家に保有されているメリットとデメリットを見てみよう。 メリットはまず、国際金融市場でデフォルトする可能性が低いことである。そもそも外国人投資家が少ないのだから、定義からして当たり前である。第二のメリットは、国内経済では一般に成長率と金利は連動して動くので、景気悪化で財政赤字が膨らむときに、金利低下の利益を享受できることだ。国際的に見て異常に高い債務残高(GDP比)を日本が維持できている大きな理由はひとつはそこにある。外国債への依存度が高い国は、世界市場の影響で金利が高騰すると、一気にソブリンリスクが高くなる。 一方、デメリットとしてはまず、市場からの財政規律が働きにくいことがある。政府が放漫な財政運営を続けると、外国人投資家は敏感に反応して国債を売り始めるが、国内投資家は必ずしもそうではない。国債金利はなかなか上昇しないため、政治への支出増の圧力は止まらず、ずるずる財政赤字が増え続けることになる。 次に、いざ破綻が起きたときの損失が必ずしも小さくないことである。外債なら、デフォルトで損失を海外に押し付けることができる。アルゼンチンではデフォルトした外債がGDPの37%に上った。日本の感覚で言えば、約180兆円の債権放棄をしてもらったに等しい。その代わり国際金融市場から締め出されるが、過去の経験では数年で国際金融市場に復帰できる。 一方、国内投資家が国債を保有すれば、価格暴落で損失を被るのは国民になる。国債のほとんどを金融機関が保有している日本の場合、国債の不良債権化の影響は金融機関の債権者たる国民を直撃する。800兆円近い預金のうち約300兆円を国債で運用する銀行の損失は大きく、資金の借り手や預金者への影響は特に大きいだろう。 バランスシートの悪化した銀行では貸し出しの収縮が生じ、資産の大半を国債で運用する銀行などは、国債暴落で、資産の裏付けを失った預金もまた価値を失う。政府はもはや預金者を救済する力はなく、取り付け騒ぎが起きれば即破綻に追い込まれるだろう。つまり、国債が国内で保有されている場合、国民のだれかが価値暴落の損失を引き受けることになるので、その損失は小さくないのである。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 政府は、過去20年間、運用能力が低く海外展開力に乏しい銀行を、国債の受け皿として利用してきた。銀行の国債大量保有というビジネスモデルのおかげで、国債金利は低位で安定してきたのは事実であるが、その副産物として、財政破綻が金融危機に直結するチャンネルを作ってしまったといえる。 日本で財政破綻が起きたときの損害が大きいのは認めたとしても、国債の大半が国内消化されている日本では、そもそも外国人投資家が国債を売り浴びせる確立は極めて低いのではないかとみる人は多いかもしれない。残念ながら、それでも国債が売られる可能性は必ずしも低くない。国債市場には、現物市場だけではなく先物市場がある。外国人投資家が国債の先物を大量に売れば先物価格が下落し、国内投資家も割高になった現物国債を売らざるを得ない。政府の財政運営のつたなさに付け込んで、ヘッジファンドが束になって売りを仕掛けてこないとも限らない。 国債価格暴落で金利が跳ね上がれば、国債の借り換えで綱渡りの資金繰りが続く状態では、ほぼ一瞬にして財政破綻に追い込まれる事態が起こりえよう。日銀が国債を買い支えれば何とかなると思うかもしれないが、国債が価値を失うか、同じ政府債務である貨幣が価値を保持すると考えるのは難しい。貨幣増発はインフレを引き起こし、事態を悪化させるだけである。 ヘッジファンドの演出による市場アタックといえば、1997年のアジア通貨危機が記憶に新しい。当時、ヘッジファンドなどの機関投資家が、タイバーツを為替の先物市場で売り浴びせたのを皮切りに、東南アジア経済を崩壊寸前に陥れた。長期の見通しをもたないまま財政運営を続けていれば、いつ何どき日本の国債がヘッジファンドの餌食にならないとも限らない。日本の財政運営は、今や国民の目だけでなく、外国人投資家の目をも意識しなければならない段階にきているのだが、はたして今の政府に対処できるだろうか。 さくらがわ・まさや 59年生まれ 早大政経卒 大阪大博士 専門は金融論、マクロ経済学 |
(柴立の独り言) 昨年からこのコーナーで、ジパングの財政破綻について、幾度も幾度も書いて来たつもりなので、暗い話を今年はあまり書かないで押さえ気味にして行こうと考えていたが、今年になって、新聞紙上や雑誌あるいは書籍発行などで“ジパング財政破綻”懸念記事が頻繁になり、目立つようになって来た。ジパングの財政破綻は懸念ではなく現実のものになってきていることを痛感せずにはおれない。 既に私は判断(断罪)している。“ジパングは破綻した”・・・と 破綻の症状はこれから粛々と襲ってくると見ています。 あるいは一気に襲ってくるものでもあるとも見ています。 問題は破綻の後どうなるかであり、場合によっては破滅する・・かも・・・とも思えてなりません。 破綻しても国土と国民は消滅するわけではなく、存在し続けるので何ら心配する必要はないとも・・ 問題は経済状況がどのような状況に至るかである。破綻の後、「ご破算で願いましては」で破滅するか、心を入れ替えて再生するのか・・・ 再生するとしたらどのような道をたどるのか?動乱的厳しさを覚悟しておくに如くはない。 それにしても この国の指導者達は“真の国民の幸福”を考えているのか・・・と問い質したい・・・ ビジョンや将来展望の欠けた目先の利益、利得にのみに走っていないか・・・ でも、指導者の資質を問う前に、 私たち国民自身が信頼に足る指導者を選挙しているのか、あるいは自分たち自身が自分たちの幸福を真に考えているのか、あまりにも無責任に指導者に任せすぎてはいないか?国の将来はどう有るべきか、真剣に考えているのかとも、自問しなければならないのではないか・・・ 破綻する前に、国民一人一人が自分たちはどうあるべきか、国はどうあるべきかを考える必要に迫られているのだが・・・間に合うのだろうか?破綻してからしか考えないのだろうか?・・・・ 破綻しても国土と国民は存在し続けはするが・・・ 最近の一部の政治家の行状や言動を聞く限りにおいては残念ながら悲しくなるほど浅ましくもみえる。 国民の間ではそのことを充分知ってか知らでか批判の声もあまり聞かない。 1000兆円はおろか1500兆円や2000兆円にもならんとする財政赤字について、国民の間ではあまりにも問題視されていない風情にみえる。財政赤字で破綻の懸念があることを語ることで“異常人”扱いを受ける始末でなんとも言いがたい。 この国は国を護る情熱のない、茹でガエル化した萎えた国に成ったのか、ほんとに大丈夫なのだろうか?とも・・・・あるいは自分が異常人なのか・・・とも 最後に再度断罪する。ジパングは財政だけではなくいろんな面で“破綻”した。 ・・・あるいは“絶対に破綻しない”のだろうか。 あるいは、「昔々、極東に光り輝く小国があったとさ・・・」となるのか・・・ そんな中で、憚る(はばかる)ことなく自分自身を護るにはどう対処するか・・・護れないのか・・・ 方策を練ることが喫緊の課題である。 とりあえずはわが身を護る・・・・国にも誰にも頼れないときがすぐそこに迫っているようだ。 破綻処理が終わった後の未来に期待を持って乗り切ることである。 “破綻”しても、“破滅”しても、“消滅”するわけではないのだから・・・未来がなくなるわけではないのだから・・・・ |
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NO.294 | 2010/02/26(金) 日本経済新聞より |
欧州経済 正念場に 弱い景気回復 財政悪化懸念 【ブリュッセル=瀬能繁】 ユーロ圏経済が正念場を迎えている。競争力の弱いギリシャやスペインなど南欧諸国が域内経済の足を引っ張り、景気回復が足踏みする「踊り場」の懸念が強まっている。財政赤字拡大で単一通貨ユーロの信認が揺らぐリスクも抱えており、外国為替市場ではユーロが売り込まれている。 「予想より外部環境がよく輸出は伸びるが、投資は依然として大変弱い」。欧州委員会が25日発表した経済予測は、外需を昨年11月時点よりも上方修正したにもかかわらず、内需低迷で全体の経済成長率を据え置いた。 ユーロ圏の2009年10〜12月期の域内総生産(GDP)はわずか前期比0.1%増。欧州委は10年1〜3月期から7〜9月期まで3四半期連続で0.2%増と、年率で1%にも満たない低成長が続くと想定している。 景気回復が足踏みする第1の理由は、失業率が10%に上昇し雇用不安が止まらないことだ。仏スーパーのカルフールは23日、ベルギーの約1万6千人の従業員のうち約1700人を削減し、約20店舗閉鎖すると発表した。同国では独自動車会社オペルのアントワープ工場閉鎖に続く大規模リストラで、「社会に地震が走った」と地元紙は大きく報じた。雇用情勢の悪化は個人消費を大きく下押しする。 第2に南欧の構造的な問題がある。もともとドイツなどと比べ輸出競争力が弱い。好調だった不動産投資は金融危機でバブルが崩壊した。スペインでは住宅価格の下落や建設投資の減少が続き、10年もマイナス成長になる見通し。ギリシャも景気の落ち込みで財政危機に直面。増税や社会保障削減には反発が強く財政再建が危ぶまれている。 ユーロ圏の財政赤字のGDP比率は09年の6.4%から10年に6.9%に上昇する見通し。3%以内という欧州連合(EU)の安定・成長協定(財政協定)の基準をユーロ導入16カ国すべてが上回る異例の事態となる。とくに南欧諸国の国債利回りが上昇しており、欧州委は「金融市場は依然不安定で、深刻なリスクとなる」と指摘した。 ユーロの信認を保ち市場を安定させるには、財政再建を着実に進める必要がある。しかし、このまま景気回復が弱いと税収が上がらず、一段の歳出削減や増税を迫られて、さらに景気低迷が続く――。 ユーロ圏が直面しているのはこんなジレンマだ。景気回復と財政再建の両立を探るEUのシナリオは綱渡りだ。 ギリシャ不安でユーロ急落 対円は1年ぶり安値 119円台後半 外国為替市場では25日、ユーロが円やドルに対して急落し、独歩安となった。ギリシャの財政不安の高まりでユーロ売り・円買いが加速。ユーロは一時、1ユーロ=119円台後半の約1年ぶり安値まで下落した。対ドルでは1ユーロ=1.34ドル台半ばと9ヶ月ぶりの安値圏にある。ギリシャの格下げ懸念が再び強まるなど欧州の信用リスクは沈静化する気配はなく、ユーロの先安観は根強い。 前日にギリシャで財政再建案に反対する公務員などの大規模ストライキが発生したことなどをきっかけに、欧州の財政不安が長期化するとの観測が台頭。ヘッジファンドなどがユーロを売って円やドルを買い戻した。ユーロを買っていた国内の個人投資家からも損失確定の売りが膨らんだ。 ユーロ安・円高につられて円は対ドルでも上昇。約3週間ぶりの高値となる1ドル88円台後半まで上昇した。 市場ではユーロの先安観がくすぶり続けている。「ギリシャの財政不安は一朝一夕に解決できる問題ではない」(みずほ証券の林秀毅氏)との見方が強まっている。 東京株式市場では対ユーロでほぼ1年ぶりとなる水準まで円高が進行すると、ソニーなど欧州での売上比率が高い銘柄を中心に売りが膨らんだ。日経平均株価は前日比96円87銭安の1万0101円96銭と3日続落した。 |
(柴立の独り言) かつて、ジパングがバブル崩壊し、不動産開発会社の倒産が多発、不動産金融ノンバンク会社の倒産は言うに及ばず、預金銀行までもが不良債権を積み上げ、国家の税金をつぎ込んでもさらに大手銀行の倒産や証券会社の倒産も起こった。2000年代に入り、幸いに一時期景気は回復したかに見えて来たところであったが、そこに今回の世界金融危機、今回の金融危機の発端は、証券バブルの崩壊という最もたちの悪い金融危機と見る。証券バブルの崩壊に引き続き、かつてジパングが経験した不動産バブルの崩壊に及びつつあるようだ。ジパングの二の舞を欧州連合諸国が舞うことになった。長期経済停滞は免れ得ないであろう。正常化にはどのような過程を経ていくのだろうか。 幸いにも経済のグローバル化の効果もあって新興国の経済発展が少しは支えになろうとしている。しかし、新興国とて今回の金融危機への対応で、巨額の財政支出を免れえず、そのことでバブルの懸念もないではない。正に世界的に次々とバブルの連鎖が起こっている状態と見る。 バブル経済の復元がいかに厳しいものであるかの実体験はジパングで実証済みである。巨額の財政資金を注ぎ込まざるを得ない状況が今回は全世界的に引き起こされてしまったようだ。かつてのジパングの比ではない。膨大な、莫大な、巨額な、資金が投入されなければならない状況になった。 元来、ジパングの財政状況は極端に悪く、決して円高状況ではないところに円高ということに注意が必要であろう。円高ではなくユーロ安、ドル安の状況であることが原点にあることに視点を置いておく必要がある。円高現象は経済のバランス、金融界の怪ともいうべき現象で、悪徳金融業界の仕業も加わっていることも知っておく必要が有る。とは言っても、自由奔放な金融という業界を社会が認めている限りにおいては、今の円高現象も起こって当然といえるわけだ。おかげでジパングはデフレの真っ最中。国体としても人口減少を筆頭に様々な難問がある上に、類を見ないほどの巨額の財政赤字を抱え込んでしまっているジパング。破綻が予定視野に入って来た。経済現象(サイクロンインフレ)が組み込まれてきた。 欧州連合数カ国の財政破綻ははっきりと見えている。米国の財政危機も既にはっきりしていること。そこにジパングの財政危機の端緒が表面化し始めれば経済規模のウエイトが大きいだけに悪徳金融界はどのような動きを示すのだろうか。大変興味深いところだ。その金融界の動きは見逃せない、金融界のみならず世界経済全体に激震を及ぼすほどのインパクトを持つ。どこの為替を信用していいのか分からなくなるほどの状況になりはしないか?現に今でも経済界は金融という怪物に振り回されている状況にみえる。 大方の人々はなす術もなく成り行きに任せるしかない状況に立ち至るのであろう。 巨額の財政資金を投入した先進国の国々の為替の価値が疑われるようになったとき、世界の経済はどのような状況に至るのだろうか。想像しておくに如くはない。ジパング破綻の比ではない! 対応策は万全でしょうか? |
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NO.293. | 2010/02/21(日) 日本経済新聞より |
けいざい解読 編集委員 滝田洋一 GDP上げ底のワケ 前期比年率4.6%増。2009年10〜12月期の実質経済成長率だ。実感にそぐわないとあいさつ代わりのように語られている。 苦労して統計をはじいた内閣府の担当者は心外だろう。でもエコノミストや投資家の批判には耳を傾けるべき点が少なくない。 ひとつはぶれの大きさ。年率4.8%→1.3%→0.0%。09年7〜9月期の実質成長率は毎月、大幅に下方修正されてきた。1999年1〜3月期のように、当初7.9%だった実質成長率が最後はマイナス3.0%とされた例もある。今回も正直なところ、最後はどうなるかわからない。 デフレが進むなか、名目成長率が実質を大幅に下回っているという実情もある。名目国内総生産(GDP)は470兆円台とほぼ20年前の水準だ。これでは景気が持ち直していると言われても、実感がわかない。 もうひとつ、見逃せない点がある。景気のよしあしとは、家計や企業が消費や投資でどれだけお金を使ったかが物差しのはず。なのに、日本のGDPはこうした民間の経済活動とかけ離れた方向に進みつつある。 例えば、帰属家賃という項目。賃貸住宅と持ち家をならすために、自己所有のイエでも家賃を払ったとしてGDPに勘定する。計算上だけの数字だ。 警察官、消防士、公立学校の先生、裁判官、国や地方の公務員の給料はどうだろう。政府消費と分類される支出だが、会社員と違って基本的に解雇の心配はなく、景気が悪くても給料がバッサリ削られることはなかった。 帰属家賃や政府支出など、景気の浮き沈みと関係が薄い経済活動。永浜利広・第一生命経済研究所主席エコノミストは、それを「非市場性のGDP]と呼ぶ。 非市場性のGDPは09年10〜12月期には約150兆円にのぼる。名目GDPに占める比率は31.0%と3割を超える。95年1〜3月期には23.5%だったから、非市場性の比率は7.5ポイント上昇した勘定だ。 米国では非市場性の比率は直近で27.2%。95年1〜3月期と比べても上昇幅は2.8ポイントである。 非市場性のGDPは、市場という厳しいふるいにかかっていない。その分、経済効率の向上に役立っていないとの問題がある。 人口が減少するなかで、経済の効率を高めないと、将来の所得も増えない。GDPの上げ底に頼らず、民間の経済活動で真っ向勝負できるようにならなければ、家計も企業も将来の見取り図を描けない。 にもかかわらず、鳩山政権は政府が優しく手を差しのべることに腐心している。その結果、経済に占める政府の役割がさらに増し、非市場性のGDPは一段と高まりかねない。創意工夫にしのぎを削る民間の比率が下がり続けるようでは、経済活動がかえって元気をなくしてしまう。 気になるのは、共産党の志位和夫委員長との会談に臨んだ首相の姿勢だ。 大企業の内部留保への課税、所得税の最高税率の引き上げ、証券税制の引き上げ。取れるところから税金を取るべきだ。首相はそんな主張に真っ向から反対しなかった。企業は自然に富を生むと思っているのだろうか。 米欧のメディアは日本の経済運営をセンター・レフト(中道左派)と呼ぶ。今や、センターの文字を外す段階に差し掛かっているようにもみえる。 |
(柴立の独り言) 昨今の厳しい財政や経済状況に対する政府の取り組みや国民の意識を勘案すると、 財政破綻と経済破綻のダブルにひた走っているジパング!という思いは更に増す! かつての米国経済頼りで成長を賄ってきた経済構造は、今、完全に終焉した。 米国の破綻も視野に入ってきた。 経済はグローバル化して新興国の台頭もあり、ジパングの産業空洞化は止まるところを知らない状況といえる。 金融危機での打撃は幸いに諸外国ほどには大きくなく済んではいるが、危機に瀕する諸外国の為替の反動もあり、招かざる客という円高に恵まれてしまった。幸と考えるべきか、不幸と考えるべきか?おかげでデフレは止まらない。 経済現象来るものは来る。円高を幸と捉え、試練と捉え、ここをどのように乗り越えるかがジパングに与えられた課題である。 かねてより、経済のグローバル化で中国など新興国の台頭でジパングの産業空洞化は充分に予測できていること・・・それに対応した処方せんが取られて来ていないジパングに歯がゆさも有る。あらゆることを究極的にまで合理化し効率化し生産性を高めていかないと新興国の後塵を拝する日が来る。ジパングには高い先進的な技術や高い能力がある・・・とタカを括っているとたちまち出し抜かれる羽目になるグローバル経済だ。 この国は大丈夫なのだろうか?・・・という感じ! 政策も国民の意識も重要な視点が欠けている。チャンスなのに・・・自立すべし・・・だ。 民主主義もいいことばかりでもなさそうだ。・・・間違った方向へも進むこともある。・・・ 「赤信号、皆で渡れば怖くない!」・・・を地で行く、ジパング。 どんな未来が待ち受けているのだろう? |
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NO.292 | 2010/02/09(火) 日本経済新聞より |
インド成長率7.2% 09年度統計局見通し 【ムンバ=黒沼勇史】 インド中央統計局は8日、2009年度(09年4月〜10年3月)の実質国内総生産(GDP)成長率が前年比7.2%になるとの見通しを発表した。同年度の成長率については印財務省が1月中旬に7.25%、インド準備銀行(中央銀行)が1月末に7.5%との見通しを公表している。 09年7〜9月期の成長率は7.9%で、同年4月以降の上半期は7.0%成長だった。統計局の今回の見通しは、下半期を単純計算で7.4%成長と見たことになる。 08年の成長率は6.7%だった。統計局が公表した09年度見通しの内訳では個人消費が4.1%、政府消費が8.2%、設備投資が5.2%それぞれ08年から伸びる。 |
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(柴立の独り言) インドにも行ってみたい。ビジネスチャンス有りだ! |
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NO.291 | 2010/02/02(火) 日本経済新聞より |
米3年連続1兆ドル突破 財政赤字 11年度予算教書 雇用に重点 オバマ大統領は1日、議会に提出する2011会計年度(10年10月〜11年9月)の予算教書を発表した。雇用対策への積極的な支出などを背景に、財政赤字は1兆2670億ドル(約114兆円)となり、3年連続で1兆ドルを突破する。一方、国防などを除く政策的な経費に充てる支出の伸びを3年間凍結。財政規律にも配慮する姿勢を見せたが、中長期的に財政を健全化できるかは依然不透明だ。 11年度の歳出は前年度比3.0%増の3兆8340と九ドルとした一方、歳入は18.6%増の2兆5670億ドルと見込んだ。 財政赤字は国内総生産(GDP)比で8.3%になる計算だ。 10年度の財政赤字は1兆5560億ドルとなり、GDP比で10.6%に達するとの見通しを示した。赤字額は過去最大だった09年度(1兆4130億ドル)を上回る。 オバマ大統領は1月27日の一般教書演説で「雇用を10年の最優先課題にしなければいけない」と主張。予算教書では、雇用対策として中小企業減税などで1000億ドルを計上した。対テロ戦費は約1600億ドルを求める。 一方で、歳出削減などにも取り組む。120以上の事業を廃止・縮小し、200億ドルを節約するという。 (ワシントン=御調昌邦) |
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(柴立の独り言) 3年で4兆ドル以上の財政赤字を抱え込む米国、過去の財政赤字もあろうに、なんという凄まじさであろうか、不良金融危機での後処理に膨大な財政支出を負い込むことになった訳だ。金融危機、その傷跡は当面癒えることはないだろう。様々な形で長期にわたって景気に悪影響を及ぼすはずだ。今のジパングの状況のように失われた20年ということになる。早速、手始めにドバイやギリシャ、ポルトガル、スペイン、などの債務不履行懸念などに代表されるように、ひたひたと世界経済の歯車を狂わせ始めてきた。米国に止まらず、英国やECなども超低金利政策や巨額の財政支出を伴う景気対策に躍起である。米国発の不良悪徳強欲金融経済に取り込まれ関わりあった先進諸国を中心に、世界中で膨大な額の財政支出が行われている。新興国の経済は今のところは比較して優位に成長してはいるが、先進国の経済に依存しているわけで、その高成長も先進国経済次第となることもありえるわけだ。 1人、ジパングは円高という招かざるインパクトを与えられ、そのことで不況という現象に恵まれている。このジパングの不況も米国発悪徳強欲不良金融経済危機の影響にほかならない。 米国はドル安政策に打って出ているわけだが、そのことで多少は米国内景気回復には貢献するだろう。だが、いずれドル安政策は物価上昇という火の粉になってわが身に降りかかることになる。それが狙いとも見えなくもないが・・・ 世界中で競うように膨大な額の財政支出を行って景気を下支えしようとしていることは今回の悪徳金融危機を突破する意味で避けて通れない対策とはいえる。喜ばしいことではないが仕方がないのかもしれない・・・・ 結果、この膨大な支出が生む副作用に注意し、対処し準備しなければいけないということだ。 各国の金融当局者は“出口戦略”と盛んに口走っているが、果たして可能なのだろうか、疑問に思えてならない。ことほどにこの度の悪徳不良強欲金融バブルは影響が大きく、安定定着に至るまでには相当な期間(10年以上を予測)に渡ってしまうと考えられる。 余りにも金融資本主義がまかり通りすぎていないか検証が必要だ。今回のような金融バブルは再び起こる可能性は高い。人類が金融本位、金融まみれの経済は“正常な経済ではない”ことを知恵として体得するまで繰り返すことになり、正常化迄には今後において様々な現象を経験することになるだろう。 自分なりの対策を怠らないことだ。 |
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NO.290 | 2010/01/26(火) 日本経済新聞より」 |
国の借金 973兆円 10年度末見通し 国民一人あたり 763万円 「国の借金」の総額が2010年度末に過去最大の973兆1625億円に達する見通しとなった。財務省が25日、国会へ提出した予算参考資料で明らかになった。今年1月1日時点の推計人口(概算値)の1億2747万人で計算すると、1人あたりの借金は約763万円に上る。 「国の借金」は国債と借入金、政府短期証券を合わせた債務残高の総額。初めて900兆円の大台を越す09年度末見込み(900兆1377億円)に比べ、73兆248億円増加する。 国の借金が急増するのは10年度予算案で、財源不足を賄うため、当初予算段階で過去最大となる約44兆3000億円の国債を新規発行するのが主因だ。政府は景気を下支えするため、国債増発を伴う大規模な財政出動を繰り返しており、国の借金は過去最大を更新し続けている。 |
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(柴立の独り言) ジパングという国の1500兆円の借金が見えてきた!遠からず5年後くらい? こんな記事をあまり載せたくはないのだが・・・やはり気になる記事ではある。 呆れ果ててあいた口が塞がらないというのはこんな状況を指して言うのかもしれない。 現に1000兆円にも届くという国の借金額について、国会や国民やマスコミなどがあまり取り立てた問題としていないのはなぜなのだろうか。不思議でならない。裏を返せば国の実力の証明とでもいえるのだろうか。分からない・・・。なぜ大きな問題として取り上げられないのか? 最近たびたび記事になっては来たが、取り立てて大きな記事になってはいない。 個人としての自分の借金ではないというかけ離れた感覚と、あまりにも巨額すぎて想像もできず実感が沸かないということか、国が国の責任で処理するもの、国が何とかするものという他人事のような感覚か、この借金の恩恵を知らずして自分達のものではないという感覚か、無視しているのか、誰かが返済するとでも思っているのか、この先どうなるか分かっているのかいないのか、連帯責任は無責任ということか・・・。 なんとも判断ができないでいるところ・・・・。 数々の状況から国の借金が今後もどんどん増えていくことの予測は難くない 元来、個人の借金は個人の責任で処理するもの(させられるもの)で、一所懸命働いて返済し返済が終われば身軽になって自然の姿に戻る。借金はない方がいいしそれが自然の姿である。金融が社会の隅々に行き渡って借金が自然の型になってきてはいるが、借金は異常という感覚も薄れてきている。「赤信号(借金)皆で渡れば怖くない!」という異常性、現代は借金そのものが自然なのだろう。 さてと、 国や地方公共団体の借金はどのように考えればいいのだろうか。 国や地方自治体には元来において借金があってはならないことだと思う。 あっても短期間で返済できるほど軽くで済ますべきもので早くゼロに返しておくべきもの 元来借金があってはならないことなのだ。個人ではないのだから責任の所在があいまいでモラルハザードも甚だしいことに見える。 国は国民の共同体、協同組合と考えてもいいと思う。国は国民であるし国民が国でもある。 その国に借金があるということは国民を個人に置き換えれば返済しなければならないということ。(返さなくてもいい方法があるのだろうか・・・あるとすれば知りたいものだ)返さなければならないはずだ。国の収入は税金である。国営企業がたくさんあって国自体に収入があれば話は別だがこの国は資本主義国で国に収入をもたらす国営企業は皆無に近い、よって、ほとんどが国民や企業からの税金である。不況で増税も難しいし、国民も納得はしないだろう。収入は増えない、増税もできない。社会保障費など必要予算額は増えていく、どんどん増えていく。ただでさえ税収が不足しているところに返済どころではない。有ってはならない借金がむしろ増えていく。返すべき借金が増えていく・・・。どう考えればいいのだろうか。 「将来世代が返済することになる」というような悠長な論がまかり通っている。 誰も責任を取らない!責任をとろうとしない。無責任で構えている。 どうであれ、結果ははっきりと見えてきたと思う。返済できなくなるという状況が現実! 返済出来ない!ということ、詰まりは返済しないということ・・・か? そんなことが出来るのだろうか?返済しないということになればどうなるのだろうか? 国の借金に貸し付けている人々がいる。幸いに外国の人々が日本国に貸し付けている額は少ないという、だから国内問題なのだ。大方は国内の人々と金融機関が貸している(国債を買ったり、短期証券を買っている)。最近は紙幣を印刷できる日銀までもが毎月1兆8000億円!紙幣を刷って買っているという。銀行は集めた預金を融資先が少ない時代でもあり国債を買って運用しているという。国に貸し付けているのだ。その銀行の資金は元々が国民の皆さんの預金だ。預金が国債に化けている格好。その国債も低金利で高値で買っている状況。国民の預金など金融資産は只今1400兆円。巨額でもあるが、いくら銀行が買うといっても国民の金融資産には限界がある。国民の金融資産では買い支えきれなくなる時が来るのだ。 ここから先は私の予測を創造のままに記してみたいと思います。 外国の資金が借金だらけの国の国債を買うはずはなく、 国民の金融資産で国債を買い支えきれなくなる頃に、日銀に紙幣を印刷してもらい買ってもらうという形の政策に打って出るときが必ず来るはずです。際限なくということはなく、それもしかしいずれ限界が来る、景気がものすごい勢いで復活すれば話は別だが・・・。もし今言われているように衰退国としての道を進むのであれば、日銀は大量の膨大な国債を買った挙句、買い支えも限界が来る。そのときの市場の判断しだいだが、国債の信用が下落し始めることになれば、金利が上昇し、さらに信用不安が膨らめば金利は急上昇し始め急騰することになる。金利が上がれば国債価格下落し、よって国債の信用は落ちていく。銀行や保険会社や証券会社は国債価格下落による損失の発生で信用不安も起こる。金融危機となり、ジパング版信用収縮、銀行の倒産ということも起きかねない。金融不安を止めるために、公的資金の投入は避けられない。そのために国はさらに借金をする。どこから・・・?・・・ お金はどこから出てくるの。政策的に日銀に増刷をさせることになる。どこにも金などないのだから・・・尋常な金額ではない膨大な金額の投入となる。極度の信用収縮が起きることで度重なる資金投入は日銀のバランスシートが崩れ紙幣の信用まで下落することにつながる・・・下落で済めば幸いだが暴落となればどうなるか。紙幣の価値の下落は物価上昇要因で、物価が上昇し始めれば国民の生活は困窮し始め、ストライキや暴動や騒乱までいくかもしれない。給与引き上げが次の物価上昇の発端となり物価の上昇はさらに進むことに、物価が上がるとさらに輪をかけて金利も上昇し、金利の高騰そのものが物価に跳ね返ることも、再び生活の困窮は給与交渉に跳ね返りさらに物価上昇に拍車がかかる。連続的継続的に連鎖した物価上昇現象となる。紙幣価値の下落に物価上昇、給与引き上げ、金利高騰などが混合複合的に連鎖して物価上昇は際限なく続き、経済政策も金融政策もコントロールを失う状況が発生する。制御不能のハイパーインフレを通り越したサイクロンインフレーションと私が言うのはそのことです。日本で起こるはずがないといわれる現象が起こり、数百倍、数千倍の物価上昇現象も起こり得ることと推察できます。そのとき国の借金がいくらになっているか想像は付かないほどさらに膨大な額に達しているわけですが。物価が極限に達したところで、物価上昇による税収が上がり国としては楽々と返済できる状況になっているはずです。しかし、国民は極限ともいえる塗炭の苦しみを味わうことに・・・ 国債はその時々に額面で現金化されますがどれほどの価値が有るのでしょうか。 あらゆる金融資産(国債、預金、保険、投資信託など)が価値を失う状況が垣間見えてきます。 金融機関はその時々の状況でビジネスするし、公的資金も投入されて救援されるので息を吹き返しているはずです。 どうでしょうか、杞憂でしょうか? そうならないことを願うのみですが、それは我々国民の財政再建への取り組み次第です。 今の状況は破綻、その方向に走っているように見えてなりません。 よその国が一時的には救援しても永久に救援してくれるわけではないのです。 個人と同じ自己責任なのです。 予測のような現象は国民の自主的意志に基づく財政健全化ではなく、経済の自然現象を待つことによる財政再建が完成する現象なのです。そこに至るまでには物価高騰という耐え難い困難を国民全体が抱え込むことになるのです。いわゆる物価上昇という形を変えた増税で誰の責任でもない、誰に責任を問うことも出来ない自然ともいえる経済現象なのです。自然現象には誰も文句をいえません笑ってしまうしかないのです。 さて、どの道に入っていくのが賢明なのでしょうか。 @自主的な努力(増税と緊縮財政)による財政再建か、A物価高騰という経済自然現象による財政赤字をゼロに近付ける程の軽減策か、はたまた、B巨額の財政赤字を埋め合わせるほどの経済成長を可能ならしめるのか・・・ Bのような画期的な経済立て直しが可能なれば私の予測は成り立ちません・・・ その可能性も皆無ではないとも言えはしますが・・・ |
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NO.289 | 2010/01/22(金) 日本経済新聞より |
中国、成長維持を最優先 09年8.7%成長 目標達成 【北京=高橋哲史】 中国経済の回復が鮮明になっている。21日発表の2009年10月〜12月期の国内総生産(GDP)成長率は、6四半期ぶりに2けた台に乗せた。雇用と社会安定の維持に必要とされる「8%成長」の実現に向け、積極財政と金融緩和という2つのエンジンをふかした結果だ。中国は今年も成長優先の政策運営を続ける構え。しかし、こうした姿勢が国内外にひずみも生み始めている。 インフレ抑制課題 09年10〜12月期のGDP成長率は実質で前年同期比10.7%。09年通期は8.7%となり、政府目標の8%を軽くクリアした。「中国経済はきれいなV 字型の回復軌道を描いている」。記者会見した馬建堂・国家統計局長は誇らしげだった。 景気を回復軌道の乗せたのは政策効果だ。中国政府は08年11月、世界的な金融危機に対応して総投資額4兆元(約53兆円)の景気刺激策を打ち出した。金融政策も引き締めから緩和に転換。大規模な公共事業とじゃぶじゃぶのマネーが、失速しかかっていた中国経済をよみがえらせた。 内外にひずみ 09年前半まで、中国共産党・政府が盛んに唱えたスローガンが「保八(8%成長を守れ)」だ。中国では毎年、2000万人以上が新たな職を求める。党・政府はこれだけの雇用をつくり出すには8%成長が欠かせないとみる。成長率が1%下がれば100万人の失業者が生まれるとの試算もある。政府への不満が高まると政権基盤が揺らぐ。党・政府にとって8%成長は社会安定のために譲れない一線だ。 広がる一方の貧富の格差を縮めるうえでも、成長路線をやめるわけにはいかない。都市と農村の収入格差は3倍以上に広がっており、「09年も拡大が続いた」(国家統計局の馬局長)。農村部に富を行き渡らせるためには経済全体のパイを膨らませ続ける必要がある。 「中国はこんなにも貧しい。正直言って人民に申し訳ない」。ケ小平氏は1978年に始めた改革開放政策の目標を「小康社会(ややゆとりのある社会)」の実現に置いた。だが30年後の今も中国の貧困層は1億5千万人にのぼる。改革開放を引き継いだ胡錦濤国家主席は、経済成長を通じた貧困の撲滅で自己の正当性を守ろうとしている。 少々無理をしてでも成長率を押し上げる――。そんな政策運営の副作用も顕在化しつつある。 人民元相場の上昇抑制、中国製タイヤを巡る米国との対立、温暖化ガス削減義務の拒否、天然資源の大量買付け・・・・。国内の成長を優先するあまり、国際社会と摩擦を起こす場面が増えてきた。 資産バブルの芽 国内でも金融緩和や元売り・ドル買い介入であふれた出たマネーは資産バブルやインフレの芽を育てている。安定成長を持続するためには物価への目配りも課題となる。中国人民銀行(中央銀行)は18日、市中銀行から強制的に預かる資金の比率である預金準備率を引き上げ、銀行の過剰融資を抑える構えを示した。 しかし政府関係者は「人民銀などは引き締めの必要性を説いているが、党・政府内では慎重論が根強い」と話す。本格的な金融引き締めに転じれば成長の勢いをそぎかねないジレンマを抱える。成長持続へ政策運営は正念場を迎えている。 「20年後には世界一」の試算も 日本の成長けん引期待 中国が日本を抜き世界第2位の経済大国になりそうだ。内閣府の試算では2009年の中国の名目GDPは4兆9千億ドルとなり、わずかながら日本に及ばない見込み。しかし中国の社会科学院見通しでは10年は5兆5千億ドル。一方で日本のGDPは5兆1千億ドル(国際通貨基金見通し)になりそう。日中逆転の可能性は非常に高い。 20年前には8倍近い差があった両国経済だが、中国は工業化が進み高成長を遂げた。一方で日本は「失われた10年」とデフレで停滞した。菅直人副総理・財務相は「中国を抜き返すかは別として日本の成長が止まっている。成長戦略で日本経済を伸ばしたい」と言う。ゴールドマン・サックス証券の見通しでは30年までに中国は米国も抜き世界最大になる。同じころ日本はインドにも抜かれる見込だ。 現時点での“豊かさ”は日本のほうが上だ。中国の1人当たりGDPは日本の10分の1。両国の物価水準を調整しても5分の1の水準にある。ただ、日本の1人当たりGDPは先進国の中では19位(08年)にとどまる。 法政大学の小峰隆夫教授は「中国は人口が日本の10倍あり、経済規模で上回るのは当然」と指摘する。これからの日本は一人当たりGDPをどれだけ伸ばすかを重視すべきだとの意見だ。 一方で、企業にとっては中国市場の重要性はますます高まる。BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は「勃興する中国が隣国にあることを活用し、ビジネスチャンスととらえるべきだ」と話す。 |
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(柴立の独り言) 今の中国の勢いとジパングの停滞・後退ぶりは大変興味深いものがある。 かつて第二次世界大戦で焦土と化し、叩きのめされた日本が比類を見ない高度経済成長を遂げ、豊かな生活をしていることを隣国として目の当たりにすれば、社会体制の違いがあるとはいえ、自分たちの可能性を求め努力するのは当然だ。新興国だからこそ発展もする。発展しなければならないし発展すべき中国、もっと豊に・・・ 政治的には社会主義体制でありながら、経済的には資本主義を取り入れていく、様々なジレンマを抱えながらも経済的豊かさを追求して止まない中国。グローバル経済の中で自国の有利性を最大限に生かして来れた勢いはしばらく止まりそうもない。いずれ米国経済を追い抜き、世界に冠たる大国への道は開けている。経済大国になったうえで政治力ともあいまって世界をリードする責任ある地位を勝ち取っていくのだろう。 翻って隣国ジパングは中国という世界に冠たる大国を目の当りにして影も薄く、うずもれてしまうのか、経済のパイは比較小さくとも凛として威厳のある国家としての地位を築けるのか、経済力のみではない国家としての資質と品格が問われるときが必ずやって来る。惨めにならないために・・・。 グローバル経済の中でコスト高となってしまっているジパング経済は、しばらく停滞を続けるのは経済の自然の摂理ともいえると思われるが、そのハードルを乗り越えて進化するパワーがジパングに求められているところだが・・・・。難問は山ほどある。少子化、高齢化、財政悪化、産業空洞化、国民の覇気・・・・ |
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NO.288 | 2010/01/16(土) 日本経済新聞より |
中国外貨準備23%増 昨年末2.4兆ドル 元高抑制へドル買い 中国の外貨準備は日本の2.3倍に (2009年末 日本1兆493億j、中国2兆3991億ドル) 【北京=高橋哲史】 中国人民銀行(中央銀行)は15日、2009年末の外貨準備高が2兆3991億5200万ドルとなり、前年末に比べ23.3%増えたと発表した。人民元相場を実勢より低く抑えるために元売り、ドル買い介入を膨らませた結果、外貨が大量に積み上がった。米欧は中国に元相場の切り上げを再開するよう圧力を強める公算が大きい。 中国の外貨準備は06年2月に日本を抜いて世界一になった。09年末時点も引き続き世界一で、2位の日本(1兆493億9700万ドル)の2.3倍に達した。 同時に発表した09年末の金融機関の人民元貸し出し残高は31.7%増の39兆9700億元(約534兆円)。1年間の増加額は9兆5900億元と前年の2倍近くに膨らんだ。元売り、ドル買い介入を拡大した結果、大量の人民元が国内の銀行に集まり、銀行がその人民元を積極的に貸し出しに回したことが背景にある。 09年末の通貨供給量(マネーサプライ)は前年末比27.7%増。金融緩和政策の下で銀行融資がかつてないペースで増えたため、政府目標の「17%程度」を大幅に上回った。余った金の一部は不動産市場などに流れ込み、住宅バブルの懸念が強まっているほか、インフレを警戒するムードも高まっている。 |
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(柴立の独り言) 日本と対比して中国を見る必要はないかも知れないが・・・ 外貨獲得競争は中国に軍配が上がって4年、今年はGDPも中国に追い抜かれていくのは確実と見られている。 一人当たりの国民総生産額は日本人をしばらく追い抜けないとしても・・・ 「国の力」はGDPと外貨準備高と軍事力と国民の成長念力などによって勝負が決まると思う。 中国はGDPや外貨獲得額や軍事力などによって、国民は自信をつけ、成長念力は加速度的に強まるものと思われる。一人当たりの所得が低いなりにグローバル経済の中でさらに磨きをかける努力をしていくことだろう。多少のインフレ圧力は成長に必要でもありカバーできるものと思う。様々な国内問題、国際問題をクリアしながらも成長をつづけ、偉大な国にのし上がっていくことは止めようがない。明らかに絶対的に勝負は中国にある。 翻って「衰退国」とのレッテルが付いたジパングはどのように対処していくのだろう。 技術力だけで世界で伍して戦っていけるのだろうか、技術力が高いといってもいずれ同等になる。国の在り方、ビジョンを問われるときが来ていると思うがこの国はビジョンを描けるのだろうか、大丈夫だろうか・・・ 隣国が巨大な大国になる時が来る。肝に据えておく必要がありそうだ。 |
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NO.287 | 2010/01/07(木) 日本経済新聞より |
世界経済のリスク 金融機関から政府へ 危機対応、財政赤字重く 金融危機後の最悪期を脱したと見られる世界経済。大きな金融機関が破綻する不安は後退したが、景気低迷と財政出動で膨らんだ財政赤字を管理する「政府」が新たなリスクに浮上してきた。 「欧州中央銀行(ECB)」はギリシャを見放すのか」。市場関係者は気をもむ。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)など米格付け会社が財政悪化を理由に昨年12月にギリシャ国債を格下げし、主要3社中2社の格付けが「トリプルBプラス」になったからだ。 ECBは金融機関にお金を貸すときの担保としてユーロ圏の国債を受け入れているが、資金の健全性を保つため格付け基準を決めている。その最低基準はシングルAマイナス」。今は危機対応で基準を「トリプルBマイナス」に緩めているが、その措置は2010年末で切れる。ECBの担保資格を失えばギリシャの信用は地に落ちる。それが市場の不安の種だ。 昨年11月のドバイ問題以降、市場は対外債務の多い国に注目し、ギリシャなど欧州周辺国がその標的になった。「問題国の経済規模から考えて、投資家は心配しすぎ」(ゴールドマン・サックスのジム・オニール氏)という声もあるが、市場の疑心暗鬼はなかなか消えそうにもない。 こうした市場の空気は、危機後の世界経済が新たな局面に入ったことをうかがわせる。 これまでの局面はおよそ3つに分けられる。 第1段階は米サブプライム問題が深刻になった07年夏から08年9月のリーマン・ショックまで。この間は「金融機関の破綻リスク」が焦点になった。 第2段階は、米大手証券の破綻が現実になり世界同時不況に入った08年秋以降の「政府対応期」。金融機関への公的資金投入、財政、金融面の景気刺激策を各国が一斉に打ち出した。 そして今、世界は「政府のリスク」が焦点の第3段階に入った。異例の対策で各国政府は民間リスクを肩代わりし、世界経済や市場の安定化にはつながったが、そのツケが財政赤字という形で重くのしかかってきた。 「日米英は財政悪化による金利上昇に弱い」。英スタンダードチャータード銀行は最近のリポートで主要国の債務リスクに言及した。世界経済の真の脅威はドバイやギリシャではなく、主要国の財政危機。主要国が債務不履行に陥ることはないにしても、投資家がリスクに敏感になり、国債利回りが急上昇すれば、景気回復の芽を摘みかねない。 しかも10年は日米英がそろって「選挙の年」。英国は5月までに総選挙、日本は夏に参院選挙、米国は11月に中間選挙がある。「政治空白」から、政府が有効な手立てをとれない恐れがある。英国では二大政党のいずれもが議会の過半数を取れず、「先進国で初の本格財政危機に陥るかもしれない」(米証券モルガン・スタンレーの欧州調査チーム)という見方すらある。 経済過熱という別のリスクを抱える中国も含め、10年は「政府の力」が試されるとしになりそうだ。 (ロンドン=編集委員 藤井彰夫) |
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(柴立の独り言) 今のジパング(日本の余りにもひどい財政状況に呆れ果てて日本人でありながら「にっぽん」と言えなくなってきた)の財政赤字状況はGDP比で約180%という。世界中で飛びきって群を抜く状況。数年後には240%にもなるだろうとの推計(IMF)もあるという。優に1000兆円を超えていく状況、それでも何事も起こらないような風情ではある。 何故?=それは1400兆円ともいわれる金融資産が国債の大方を負担しているからにほかならない、いわゆる、余裕があるという不思議の国のジパングといえようか。言い方を変えれば、国民の資産(純資産=1062兆円)を政府=(国=国民)が食い潰しつつあると見てよいのだろう。近い将来にすべての資産を国が食い潰すはめになる。直接に個人が国債を持っていれば危機感を感じるのかもしれないのに、銀行や年金資金が保有していると言われ、間接的には個人で保有していることにほかならない。という。もし、保有資産(1400兆円)を食い潰した暁にはどのような状況になるのだろうか。あるいは食いつぶすまでに、気が付いて、財政健全化へ向かい始めるのだろうか。 今の状況は傷は深くなる一方ではある。 取り返しの付かない状況に至ってから、“政治の責任”とかわめいてみても、問題の解決にはならない訳で、早く気付くべきなのだろうと思う。民主主義の時代、すべては国民で決めて国民で負担することだ。政治の責任をそのときにわめくには余りにも悲しい話ではある。 破綻の状況を想像しておくに如くはない さて、どんな状況になるのだろう。 しばらくの間、日本の財政危機に心を奪われて、盛んに破綻のことを書いてきた。 その都度、気がめいることでもあり、今後はあまり記事にしないことにしようとも思うが、・・・ 危機は危機、自分で対処するしかないので、できればその対処法を記事にして行ければいいのかな!と思う。 |
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NO.286 | 2010/01/01(金) 日本経済新聞より |
出生数 再び減少 厚労省、09年推計 人口減最大、 75000人 「がんで死亡」増える 2009年に国内で生まれた日本人の赤ちゃんは08年より約2万2千人少ない106万9千人で、2年ぶりに減少に転じるとみられることが、厚生労働省が1日付で公表した人口動態統計の年間推計で分かった。死亡数は9年連続で増加の見通しで、出生数から死亡数を引いた人口はマイナス7万5千人で、自然減は3年連続となる。 推計は10月までの速報値などから年間分を算出。09年の推計出生数は、うるう年で微増した08年から一転減少し、戦後最低だった05年(106万2530人)に次ぐ低い水準となる見通し。人口減少幅は08年の約5万1千人を上回って過去最大となり、人口減に拍車がかかっている。 1人の女性が生涯で産む子供数を示す合計特殊出生率は05年に過去最低の1.26を記録して以降、3年連続で上昇している。09年は出産年齢の女性も減っており、同省は「08年(1.37人)と同じ程度になるのではないか」とみている。 死亡数は114万4千人で前年よる約2千人増える見通し。01年以降増加が続き03年に100万人を突破。09年は微増に止まるが、同省は「高齢化が進んでおり増加傾向は続く」としている。 死因別では、三大死因のトップである「がん」が前年より約1千人増えて34万4千人に達する見通しで、全体の約3割を占める。 次いで多い心筋梗塞(こうそく)など「心疾患」は約3千人減少して約17万9千人、脳卒中など「脳血管疾患」は約6千人減少して約12万1千人にとどまる。高齢化でがんで亡くなる人の増加が続いている。 1980年には脳血管疾患が16万2317人で最多、がんは16万1764人で2位だったが、翌年以降29年連続で日本人の死因トップとなる見通し。心疾患は85年に脳血管疾患を抜いて2位となり、その後は95、96年を除き「がん」「心疾患」「脳血管疾患」の順位は変わっていない。 日本の人口は05年に初めて死亡数が出生数を上回り自然減となった。06年は8224人の微増となったが、07年に1万8516人減となり、08年は減少幅が拡大した。 |
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(柴立の独り言) 年の初めの経済記事に、寂しさを誘う人口減少記事とは少し心が沈む思いだ。 でも、経済の重要な動きをしっかりと記録しておきたいと考えているこの「風を読む!」の欄においては、決して逃しておけない、飛ばしておけないファクター記事である。 さて、日本の人口は確実に減少していくことが見て取れる。2005年を頂上として今後ず〜と減っていく。衰退国とみなされる最たる現象の一つであろう。それも千万人の単位での減少が見込まれるようだ。衣食住サービス業、様々な業界・分野で売上減少が起こる。生産力も落ちる。 放って置けば国力も当然落ちる。 人口減少は天然の自然現象でもあり、工業製品のような物作りのように量を飛躍的に増やすことは出来ない。民主党政権が政策として子供手当てを支給する政策をはじめることになってはいるが、それで子供が飛躍的に増えるわけでは決してない。少ない子供を大事にしていこうとするだけの効用 殆どの社会システムを人口減少に合わせていくしかない。合理的に効率的に・・ 人口が減るとはいえそれをクリア出来ないわけではない。もっと豊かになることも出来るし、幸せになることだって出来ないわけではない。受け入れて対処していくだけのこと。自然現象。 アパート経営においてはストレートに影響を受けることになる。 経営として成り立たせ続け、さらに成長して社会貢献したいためにはそれなりの覚悟と努力が欠かせない。 すでに賃貸空室が全国平均で2割近くにならんとしているとの統計もあり、戸建やマンションなど個人の空住宅も700万戸を超える模様、賃貸業を生業とする業界に身を置いている以上、油断はならない情勢である。そこに人口減少という更なる課題難題。過当競争ともいえる業界で業績を伸ばしていくことになる。合理的で快適で低廉な賃料のアパートで勝負していくことになる。今年も様々な課題に果敢に取り組んで行こうと考えている。 結論、チャレンジ福岡!である。 今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 |
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